愛の工面 (幻冬舎文庫 つ 1-1)
愛の工面 (幻冬舎文庫 つ 1-1) / 感想・レビュー
mer
永遠に変わることのない一瞬なんてどこにもないんだろうけど写真があれば一瞬を永遠にすることもできるならせめて、シャッターを切ることで足掻きたい。胸の奥にしまうのもいいけどね、時間が経つと色褪せちゃうから。
2020/12/20
masa@レビューお休み中
ちょっと衝撃だな。うん、衝撃だ。うまく言葉にならないのは、たぶん今この本を読んだからだ。そんな気がする。私と彼の物語。それは恋と呼ぶには不用意で、愛と呼ぶには絶望的すぎる。辻仁成が撮影した南果歩の写真が至るところに登場して、その度に何か言葉にならない感情が湧いてくるのだ。やはり、いくら書いてもうまく言葉にならないのであとはブログにまとめてレビュー書きます。
2012/01/18
Mitsuru Umeda
なんだか観念論概念論に走っていて「はぁ、そうですか」みたいな感じ。 高校生くらいの頃の自分が読んだら、ありがたがったかもしれない。 関係ないけど、途中途中に挿入されている写真の南果歩さんって、作者の前妻だったのね。 知らなかった。 別に知らんくていいけど。
2019/08/29
フィシュー
内面の薄くて浅い日々を送っていたことに気付かされる。しかし、そんなに見つめていては保たないとも思う。感情、審美、自我、目には見えないものをキャッチできる、いわゆる感受性の豊かさは世界を深く知り広げる素質だ。感じ考えることは呼吸を整え深くしてくれる。けれど感じられることは怖いことだとも思う。社会的に脆くなりうる。心の内面のファインダーのような薄暗さが表現されてる本作。そういうものを書くのが上手な人。それはそれで美しいけれど、人間はそれだけじゃない。弾けるような明るい心もある。ストロボじゃなくて太陽のような。
2022/08/14
A
愛は強さのうえにこそ存在するってのは、椎名林檎が言ってた「愛は知性に宿る」あれと近いのかな。不意を衝かれたのは、愛する/愛されるがそれぞれ強・弱だとされていたこと。写真はよくわからないけど、辻さんの文章は気持ちが良い。声に出して、音にしたくなる。「何ものにも代えられない大切な宝物だった。」なんて、一見ありきたりな言葉の羅列なのに。きっと辻さんが、この言葉の本当の意味と使いどころを知っているから。魔法の言葉のように見惚れてしまうなあ。あとは、解説が良い。
2020/01/26
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