夜を賭けて (幻冬舎文庫 や 3-1)
夜を賭けて (幻冬舎文庫 や 3-1) / 感想・レビュー
遥かなる想い
終戦後の大阪で生きる在日朝鮮人たちの生き様を骨太に描いた作品である。 暴力と汗の匂いが充満し、鉄塊の発掘に血眼になる在日の苦闘を赤裸々に描く。 アパッチ族の反乱、大村収容所など、あまり知らなかった戦後の在日朝鮮人の苦闘が荒々しく描かれる。著者の怒りのようなものが文面から読み取れる、そんな作品だった。
2024/06/14
ehirano1
再読。大村収容所のことを大変興味深く読みました。朝鮮戦争と密接に関係していたのですね。休戦中のこの戦争、これ以上悲劇を生まないようにと願うばかりです。
2017/04/15
ehirano1
終始そのパワーに圧倒されました。彼らは夜に賭”けて、夜を“駆”けて、夜に“懸”けました。その意味でタイトルはなんとも秀逸だなと思いました。終章は打って変わってノスタルジックに閉められますが、このノスタルジーがさらに第一章、第二章のパワーを引き立てているように感じました。
2017/02/05
fseigojp
実際にあった旧大阪砲兵工廠をめぐる実話がモデル 開高健の日本三文オペラも、これが元ネタ
2015/10/23
sabosashi
造兵廠跡での騒動をめぐるこの作品について語るのは容易ではない。まずは読む者の歴史認識を試されるということを除いてみても。戦前、戦中、戦後、なぜニホンに朝鮮人が暮らしていたのか、あるいは働かされていたのか、またはいかなる暮らしを送っていたのか。それらについて考えることはつまりニホンの、先走っていうならばいわゆる世界史について考えることでもある。はたして大上段にかまえてしまっただろうか。とにかく、いわゆる在日朝鮮人がいかなる暮らし、そして人間関係、または政治に関わっていたのか。
2024/11/05
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