疾風三十一番勝負: 真剣師小池重明 (幻冬舎アウトロー文庫 O 2-2)
疾風三十一番勝負: 真剣師小池重明 (幻冬舎アウトロー文庫 O 2-2) / 感想・レビュー
hnzwd
昭和50年代に最強のアマチュア棋士と呼ばれた小池重明の人生を描いた本。将棋以外はあらゆる事が全部ダメ。将棋についても型破りでプロ棋士相手にも一歩も引かない姿を見せるのに、アマ名人戦は前日から酒盛りをして徹夜で試合に挑んだり。。こんな棋士は二度と現れない。姉妹作、というか本編があるそうなので、読む機会があれば。
2022/07/11
ずっきん
読みはじめて「真剣師小池重明」ではなく、続編のようなものだと気づいたが、残念ながら図書館にはこれしかなかった。名前はチラホラ知っていたが、こうして真剣師の話を読むのも棋風を知るのもはじめて。早指し、駆け引き、まるで格闘技だ。ああ、やはり前作も読みたい!後半は宮崎氏による対局観戦記と棋譜が主軸になる。森八段との三番勝負では高揚し、櫛田四段との師弟対決では目頭が熱くなった。巻末の棋譜二十一局は、残念ながら初歩の定石がやっとの私には猫に小判。その汚しっぷりと、勝負への執念を読み取れる人が羨ましい。
2017/12/27
Quadrophenia
絶対にお近づきにはなりたくないが、ここまで破滅型の人生を送った人間も少ないのではないか。小池重明の強さは鮮やかな一本勝ちではなく相手を泥沼に引きずり込んで失策を犯させるというもの。棋譜を汚すことに何の頓着もない、「プロにはできない」勝ち方こそ小池重明の生き方そのものに見える。
2015/12/19
こわっぱ
でた。将棋の教科書第二弾。「ンなもんで棋譜ならべしたって筋が悪くなるんじゃねーの?」と先輩に白い目でみられながらも取り憑かれたように小池の棋譜を並べていた時期がある。その峻烈な強さは今でも脳裏に焼き付いている。いつの間にか逆転している不思議な棋風を学びたい。憧れたなぁ。生き方は絶対真似したくないけど。
tenma
小池重明の名前は、大崎善生の「聖の青春」ではっきりと意識した。それまでは、彼が嘗て対戦したアマの強豪たちの名前に埋もれていたように思う。▼伝説(レジェンド)と呼ばれる人たちは、生き方も破天荒なケースが多く、小池の場合も、真剣師としての生き様と人としての生き方の差が余りに大きい。他人の立場であれば冷静に見ていられるが、親しい人からすればこんなに迷惑な人もいなかっただろう。与えられた才能と対比される生き方の無様さ。尊敬できるかどうか判らないが、色々な意味でこういう生き方に救われる思いも感じる。
2014/06/26
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