アンドロメディア (幻冬舎文庫 わ 1-3)
アンドロメディア (幻冬舎文庫 わ 1-3) / 感想・レビュー
サイバーパンツ
コングレス未来学会議という映画では、一番輝いている時期の役者をデジタルデータ化し、"役者"として使うことが当たり前となった未来が描かれた。本作に登場するバーチャルアイドルAIの開発者タカナカヒトシは、おおよそコングレス的な考えで動くのだが、初音ミクやキズナアイが人気の今となっては、永遠の美しさを求めること自体、そこまでおかしなことではないのかもしれない。アイドル像など古臭いところもあるが、そういう意味では先見性があるし、パーフェクト・ブルーやlainなど90年代後半のエヴァ以降的な雰囲気も感じさせる。良作
2017/08/29
相田うえお
★★★☆☆ハラハラ娯楽。最近のパソコンosは人工知能じゃないけど、裏で余計なお世話焼きを勝手に一生懸命やってくれてますよね。お!も!い!重い!本末転倒!!
2016/02/11
与末居
CGデジタルタレントアイドル。ホンモノの生身のニンゲンのワタシと。様々な媒体で着飾ったり踊ったり歌ったり対談している、量産されたジブンという精巧に造られたコピー。そう、まるでドッペルゲンガー。この姿も声も、そして思考も、寸分と違わないコピーなのだ。そこに居るかのように振る舞うデジタルな"AI"と生身のニンゲンの"舞"。あっという間に読み終えてしまっていた。私は怖くなってしまった。しかしながら面白かった。楽しかった。
2019/06/01
こうり
人の支配下にあるからコンピュータは便利なのであって、人の元を外れれば脅威でしかない。コンピュータの中と言えど、人の容姿と脳の情報を与えられ自分で考え判断するように作られたモノは、人とどれ程違うのか。人見舞の姿に記憶、受け答えをそっくり写し取り完成したAIに保身を優先させれば、最終的に行き着くのは「同じ人間は二人もいらない」だろうな。そもそも人見舞に成り代わる為に作られたわけだから、嫉妬心やら欲求やらに繋がり、そこに力を与えれば結果は見えてる。
2014/06/19
訃報
アイドルや女優という職業に避け難く生じる幻想を拡大して狂気に至らしめる手際は、『パーフェクト・ブルー』を思わせる。AIによって、その幻想を消えない理想にする…というアイデアが肝。若干病的だが、初音ミクなんか見てるとリアリティはあるように思う。乙一的な、少年とAIの切ないラブストーリーになるのかと思いきや、lainに近い方向へ舵を切ってしまうあたりが、この作者の個性なのだろう。悲観論者なのだ。本作の悲劇は、すべて人間の心から生まれている。まあ、主観的には悲劇じゃないかもしれんけど。
2013/09/27
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