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ぬえの名前 (幻冬舎文庫 は 2-1)

ぬえの名前 (幻冬舎文庫 は 2-1)

ぬえの名前 (幻冬舎文庫 は 2-1)

作家
橋本治
出版社
幻冬舎
発売日
1998-08-01
ISBN
9784877286293
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ぬえの名前 (幻冬舎文庫 は 2-1) / 感想・レビュー

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ライム

源氏物語で缶詰になっていた頃の文章で、「頭いいなァ俺って」と書いてる位、筆が冴えている。他者との共存をテーマに平和と戦争を語るところは、確実にイイ内容なのに、私の理解が追い付かない(泣)。それでも非常に納得できたのは、教養と表現のセクシャリティー差についてと、自己表現の経済学・芸術家のジレンマのところ。自己を内から外に突出して、秩序の体系の中にいるテイのいい調和なんてぶっ壊せ…本質的っぽいのをズバリと書ける言葉のキレ味が凄い。

2024/03/16

マサトク

考える契機となる本。「教養エッセイ」とはそういうもんではあろう。それぞれの項目はそれぞれの落着点があって、読んでいればふむふむなるほどと終わってしまうものだけれども、たぶん重要なのはそこに落着させるための手法論、橋本治の考える軸をならう、ということだろう。もし教養主義が実現するとしたら、そのようにしかありえないものだろうから(そして本質的に私は実現不可能だと思ってはいるけど)。でも、この本自体は年を経ても古びることなく、エバーグリーンだと思う。読まれるべき。とくに、戦争が起こったいま。

2022/03/11

蝉海

友人からの貰い物。橋本治を読むのは『恋愛論』に続いて二冊目となる。こちらは講演録ではないのだが、やはり独特な文体だなあ。反教養主義的インテリなところが、合う人は合うし合わない人は合わないんだろう。私もどちらかというと苦手。だが、「言葉というものの明晰性」に強い疑念を持っている人間で、故に徹底して分析的な思弁を紡いでいくところは興味深かった。最後の「ヒトの性器と戦争」は面白い。民族紛争の次のレヴェル(対テロ戦争)に突入して久しい、現代人のとるべき思考法について顧みさせられる。

2016/02/29

どういう本なのかと問われると答えに窮するが、どこを切っても橋本治の本だとしか言いようのない本。だからぬえなのか。何も検証せずについ「常識」と思ってしまっていることについての異議申立て……のようでもある。よく思考していくための「カギ」をたくさん脳に投げ入れてくれる、とも言える。橋本治の思考回路は面白くもおそろしい、と思ったりもする。なんなんだ。

2010/03/04

朱音

橋本氏好きなので。読んでてもわかってるのかわかってないのかわからないけど(馬鹿か>自分)書いてあることの半分くらいは何か得るものもあるかも。結構「窯変源氏物語」についてのことが書かれていて、また読まなくっちゃ、と言う気になった。

2002/07/24

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