群青の夜の羽毛布 (幻冬舎文庫 や 4-3)
群青の夜の羽毛布 (幻冬舎文庫 や 4-3) / 感想・レビュー
モルク
母親からの虐待や束縛により、萎縮しスーパー図書館への外出しかできない長女さとる。そしてスーパーのアルバイト大学生の鉄男はそんな彼女に惹かれていく。鉄男はさとるを母親から解放できるのか。何か秘密のありそうな家、どこまでも暗い闇、父親は死んだの?妻から逃げたの?でも確かに父親は最初から登場していたのだ。そして、遂に事件が…。その後の家族については語られていない。気になる!山本文緒さんも気になり癖になる作家さん。
2018/04/10
matsu04
暗くて怖くて、そして凄まじい家族(あるいは母娘)物語。心が病んでいるというだけで片付けられる話ではない。何と言うか、女の恐ろしさを思い知らされるとでも言うべきか…。山本文緒恐るべし。(再読)
2016/09/13
さっこ
血のつながりで一緒に暮らすことが当たり前の家族。家族の中で支配されていく人間関係。今なら毒親と言われるようなことも、当たり前のように家庭という密室で行われ支配された心は蝕まれていく。共依存とも思われるような中でそこを抜け出すのはとても難しい。
Natsuko
図書館の山本文緒さん追悼棚よりまとめ借り。本作は1995年初版とお若いころの作品だが今までノーマークだった。読了後、これぞ山本さんワールドと胸がいっぱいに。ドラマ化された「あなたには帰る家がある」と似た狂気を感じる。ドロドロしていて、「嘘だ~」と思うのに止められず、たまに挟まれる語りに「誰?」とざわつかされ…。家族小説でもあり、恋愛小説でもあり、ミステリーでもある。当時巷にはなかった「毒親」に苛ついて読み進めるも結局誰もかれもクレイジー。きっと賛否両論だと思うが、私はこの雰囲気の山本さんがすごく好きだ。
2021/11/21
かるかん
女の怖さも十二分に描かれていてわかるが父親の「復讐」もかなりの怖さがある。 人間の闇ないしは恐ろしさがこれでもかと描かれているせいで読んでて冷や汗が出てきた。
2015/04/27
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