泣かないでパーティはこれから (幻冬舎文庫 ゆ 1-4)
泣かないでパーティはこれから (幻冬舎文庫 ゆ 1-4) / 感想・レビュー
takaya
25年以上前に書かれた、唯川恵さんの小説。27歳の女性が失業、失恋して、人生に苦労しつつ生きていく物語です。誰にでも、いつでもありえる出来事だけが描かれていますが、主人公が自分にとって大切なものを見つけるラストは、読後感がいいです。
2021/04/24
Meme
未練がまさしを感じさせない清々しい、常にリアルで一歩でも前進する琴子に非現実さを覚えつつ、いくつかの不運さや世の中の不公平さに違和感を持つ、家でふさぎ込む、人に騙される、プライドは忘れないという人間味にリアリティを覚えます。これは1995年に上梓された本なんですね。生まれた直後くらいで色々と朧気なので、背景も凄く勉強になりました。深い憎しみは同等以上の愛情に転換する様子は、経験上よく分かります。そもそも憎しみと愛情は全く別物なので、切り分けて接せれる様が人としての強さなのかもしれません。
2022/11/23
しろちさ
久しぶりの唯川さんはドロドロ感もなく「これでもか」とよくあるパターンが並べられて話が進む。それでもそこそこにおもしろく読めちゃうんだからすごい。だってさ、もう出てきた時点で「あ、この人だな」ってなるんだもんよ(笑)。
2019/10/22
kaizen@名古屋de朝活読書会
「史上最低の日 三日前、失業した。そしてゆうべ、恋人に「好きな女ができた」と言われた。」 「帰りたい、そう思った。行くのではない、戻るのでもない。そここそが私の帰る唯一の場所。いつか琴子は駅へと走り出していた。 それは夢に向かって走り出したと同じことだった。」 文学してますね。「あとがき」の時代背景を拝読すると、就職難の時のこととのこと。就職難になる度に、人気が出るかもしれない。 前を向いて生きろという、強い著者の意思と伝言。 登場人物には著者の、人間の理想像がいくつか浮かび上がっている。
2013/02/09
ぱんだ♪
さらさらっと読みました。突然働いていた会社の倒産、付き合っていた人には別れを告げられる。自分も就職活動では勝手に良い職場、悪い職場って主観的で考えてしまうこともあったし、大手企業に憧れていたな…とか自分の就職活動と重ねた部分もあり。でも、大切なのは会社の規模の大きさではなくって。琴子が最後には「自分にとって居心地の良い職場」に気付くことができ、私自身も気付かされました。…ただ、康史くんは一体どーなってしまうのだろう。彼のことが一番気がかりです。
2012/12/14
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