本棚の本
「本棚の本」のおすすめレビュー
本好きの知的欲求を満たす一冊! ピザ職人、編集長、帽子作家、古書店主の「本棚の本」から見える人生
『本棚の本』(赤澤かおり/アノニマ・スタジオ) 他人の家の本棚はとっても不思議におもしろい。私が読書好きの友人の自宅に初めてお邪魔したとき、「恥ずかしいからあまり本棚を見んといて」と言われたことがある。理由を訊くと「丸裸の脳内を覗かれているみたいでソワソワするから」とのことだった しかし当の本人は私の家に入ると真っ先に私の本棚を物色する。彼が矛盾しているように思うのだが、その気持ちはどこか分かるような気もする。本は思わぬかたちで人の脳の構成要素となっていき、それは本人にとっては無自覚な場合もあるからだ。 だからこそ他人の本棚を覗くという行為には奥深いたのしさがあり、やめられない。そんな本好きたちの知的欲求を叶えてくれる本が10月に出版されたのでご紹介したい。『本棚の本』(赤澤かおり/KTC 中央出版)である。 WEB連載を書籍化した本書。編集者である著者が敬愛する、古書店、居酒屋、デザイナー、カメラマン…計19組の生業を持つ仕事人たちの本棚を訪ね歩く。著者が取材前、各人に対してお願いしていたことは「好きな本を10冊程度準備しておいてください」ということと、「本棚の…
2017/11/8
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本棚の本 / 感想・レビュー
鱒子
図書館本 いろんな分野で活躍する仕事人の本棚。皆さん、気負ってないのにおしゃれで素敵です。わたしの好きな本が出てくると、すごく嬉しい。スタイリスト池永陽子さんの言葉「何度も片付けようと思っているんだけど、途中でこれはどうしようかと開いちゃったら最後。じっくり見入っちゃって、結局片付かないの」もう同意しかないです(笑
2020/11/06
kana
本棚という宇宙。敢えて手元に残しておく本の集合体、本棚は所有者の思考や価値観や人生の軌跡が反映される宇宙的な魅力がある。だから人の家では必ず本棚をチェックしたくなるし、好きな人がどんな本を読むのか知りたいと思う。本書はそんな純粋な好奇心に基づき執筆される。なぜなら取材先は著者の仕事仲間や友人知人や尊敬する方限定だから。取材と称して好きな人達の本棚を見せていただき話が聞けるなんて幸せな仕事、私もやりたい。本棚が雑然としているのもよくあるインテリアとしての本棚と違って「用の美」としての美しさがあって好ましい。
2018/05/05
紫羊
本棚のカラー写真が可愛かったので赤いカバーを外して持ち歩いていた。紹介されていた料理の本、何冊か手元にあったので読み返して実作してみよう。
2018/08/18
スノーマン
どの本棚も生々しくてとても良いです。そしてこの本の真っ赤な装丁にはどんな意味があるのかなと考えたりするのも楽しい。人生色々あるので小さな頃読んでいた大切な本をずっと持ち続けるのって難しいから、ちょっとぼろっとなった本の背表紙とかの写真に心を掴まれた。最後の最後、持ち主さんの子供の頃のマイ綴りにはさらに心をグイッと持って行かれた!私もあんな本作ってた〜そしてムスメもよく作ってるので(子供はみんな作る?)ムスメのごちゃごちゃコーナー整理するときは取っておいてあげたいなと思った(笑)
2017/10/29
Tui
数ある鎌倉ガイド本の中でも個人的ベストな『鎌倉のんで、たべる』の著者による、気になる人の気になる本棚紹介。著者のルーツや日々の生活そして仕事上でのつながりが深い方々からなる人選のため、よくある本棚写真集やブックガイドをイメージして読むと、やや偏った内容と感じるかもしれません。料理や写真に関する書籍が多いのも、編集者として多くの料理本に関わってきたから。本棚とその持ち主を通して、自身のルーツや職業歴について語っている部分も多めかな。鎌倉の鈴木屋酒店の主人の本棚、そして本のセレクトが一番ぐっときた。
2018/05/15
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