本と体
本と体 / 感想・レビュー
吾亦紅
書評というより、高山なおみさんが食べるように本を読み、体を通って出てきた感想文。それと対談集。こちらは表現、主に言葉についての考察。高山なおみさんの進んでいく方向には、楽あれば苦あり的な痛さを感じる。でもその全力をどこか眩しく感じることもある。アノニマ・スタジオが手がけたデザインが素晴らしい。
2021/03/21
rin
★★★★★…とても良い本だった。書評を楽しみにしていたのだけど、対談がどれもすごく良くて読めて良かった。高山さんだから聞けたこと、言えたことがあるのかな。"ことば"が持つ面白さ、楽しさ、難しさ、怖さ、そんなことをちょっと考えてみたり。
2020/10/02
きゅー
料理研究家であり文筆家の高山なおみのエッセイとインタビューが収録されている。インタビューと言っても彼女は聴く側。個人的な知り合いでもある、絵本編集者の筒井大介、写真家の齋藤陽道、画家の中野真典の3名となっている。特に、齋藤陽道とのインタビューは印象深く、耳の聞こえない彼の言葉と写真に対する向き合い方、3歳になる子供との関係など実に興味深く読ませてもらった。高山は小さい頃から成人した頃までどもりがあったという。どもりだから電話ができない、人と話すのは信じられる人とのみという生活が続いていたという。
2024/11/11
くるぽん
対談の空気感がすごい。すごすぎて、たまに置いてきぼりになった。言葉にならないけど確かに存在しているもの・想い・感情を、対談という形で言葉にしてるけど、でも言葉にならなくて、なんとか言葉にしたいという体からの欲求がすごかった。奥へ奥へとかき分けてその人の中身を見つけに進んでいく。まさに本と体。表現者たちの苦悩は全部理解できるわけじゃないけど、脳みそとか内臓まで見せてくれるみたいな正直な話は好き。絵本が好きな人や絵本に詳しい人ならより楽しめると思う。
2021/06/17
アルパカ
「ものを創る人」との対談と読んだ本についてのエッセイ集。編集者の筒井さんとの対談が面白かった。お父さんとは数年会っていない、学生時代は人嫌いだったということ。今は編集者として活躍されているのだから、何事も無駄ではない。もう高山さんは料理家としてはやりつくしてしまったのかなあ、と思ったりしました。お母さんの具合が悪くても文章を書く自分に気づいてちょっと吐き気を催すぐらい嫌悪感があり、その時だけ書くのを一瞬辞めようと思っただけであとはほとんどない、と。文章を書くことが体に染みついているんだと思いました。
2021/05/04
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