グラディ-ヴァ/妄想と夢
グラディ-ヴァ/妄想と夢 / 感想・レビュー
うえ
種村氏の解説を読む為に。「『グラディーヴァ』が成立した1903年は、コンラッドの『闇の奥』(1902年)とジャック・ロンドンの『荒野の呼び声』が世に出たのとほぼ同じ年である。衰弱と無気力の物語と冒険と行動の物語が、同時に成立した。前世紀の冒険小説は、スティーヴンソンの『宝島』にはじまり、ハガード『洞窟の女王』とキプリングの『ジャングルブック』を経て、ようやく『闇の奥』のような結論的な作品に到達していた…冒険小説的夢想はありあまる生命力の所産ではなく、むしろ無為と無気力と役立たずの意識を母体にしていた」
2021/09/28
viola
イェンゼンってドイツの人なんだ。フロイトがこの小説を基に論を展開していることで世界的に有名となった(と思う)作品です。『グラディーヴァ』が前半、フロイトのグラディーヴァ論『妄想と夢』が後半。後者は既読なので、前者のみ読みました。実際に読んでみると、心理学者がこれに反応するのはよく分かります。ノルベルトって中年のオジサンのイメージだったのに、思いのほか若くて感じのいい顔つきなようですね。私事ですが、グラディーヴァとノルベルトが夢の中に出てきて驚き!
2012/01/15
Labdakos
おおもとの小説であるイェンゼンのグラディーヴァと、それについてのフロイトの論文、そして訳者の解説が収録されています。グラディーヴァ自体は、たぶんわざと曖昧に書かれているせいで、あまり楽しめなかった。もし面白いと言えるならば、それはハーノルトの状況に身を重ねられるときだと思います。でも後半で明らかになるツォーエのファリックぶりは魅力を感じる余地があるかも。フロイトのほうはほとんど翻訳しているだけだけど、何度か脱線するところがあって、その部分はおもしろかった。
2011/07/31
asukaclaesnagatosuki
イェンゼンのグラディーヴァは足フェチを描いた小説。とても面白かった。
感想・レビューをもっと見る