亡命文学論 (徹夜の塊)
亡命文学論 (徹夜の塊) / 感想・レビュー
燃えつきた棒
「沼野充義〈徹夜の塊〉三部作完結記念トークイベント(付・ヌマヌマ夫婦放談」に参加するので、手に取った。 イベントは、沼野先生のお元気なご様子と恭子夫人との仲睦まじいやり取りが拝見できて、ほのぼのと「あったか〜い」催しだった。/ なぜか亡命作家に惹かれてしまう。 鄭義、高行健、黄翔などの中国からの亡命者にはじまり、ソルジェニツィン、ナボコフ、クンデラなどのロシア・東欧からの亡命者たち。 ひょっとすると、ラクダが砂漠にどうしようもなく惹かれてしまうように、やはり「異人」は亡命者に惹かれるのかも知れない。→
2022/07/23
amanon
取り上げられている作家のうち、数名しか知らなかったが、それでもというか、だからこそ興味深く読めた。さすがロシア≒旧ソ連の作家の層は厚いということか。その一方でタイトルが示唆するように、亡命という重い現実を背負った作家達の姿に、想像が及ばない程の暗い翳りを感じてしまう。そして、ロシアが抱える複雑な民族や言語の問題…日本に生きる我々には、まさに想像が及ばない世界。しかし、そこに想像の光を差し込むのが文学の仕事ということなのかもしれない。そして、その仕事のためにも、文学部を無くしてはいけないと改めて痛感。
2021/05/29
minamimi
立て続けにロシア関係の本を読んだので、頭の中の整理がついていない状況。ぼんやりと19世紀から20世紀のロシア文学とその周辺がわかってきた、ようなそうでもないような…。
2020/07/24
my_you
亡命という現代的現象、これは我々を新しい場所へと導くのか、あるいは故国喪失の苦しみを負わせる苦難にすぎないのか? そのこたえは数多くの亡命者たちによって千差万別の回答があたえられる。が、著者自身はその中間、いまだなく、もはやない場所に身をおくことにこそ倫理を見いだしている。それにしてもなんという読書量か……
2010/11/01
トム
軽いノリで読めた。結構古い本でびっくりした。沼野先生は高名な研究者であるのみならず時代の目撃者でもあったということを知った。
2021/05/29
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