古代人のコスモロジ- (史話日本の古代)
古代人のコスモロジ- (史話日本の古代) / 感想・レビュー
うえ
「やってはくるけれども、祝福を与えるか、あるいは不吉なことを言うか、それはわからないわけです。それがいわゆるタマの特性…折口信夫は、タマのいいところが神になり、タマの邪悪な面がモノになった、と言います。確かに『万葉集』や『日本書紀』などを読みますと、「鬼」と書いてモノと読ませております。中国の鬼は死者の霊のことですが、日本ではモノのことです。物の怪のモノです。モノを鎮めるのは物部です。悪しき霊感を鎮める、それが物部のもっている鎮魂の呪力です。八重山で毎年豊年祭にあらわれるのが、赤マタ黒マタです。」
2020/03/27
讃壽鐵朗
氏の長年に渡る執筆活動のうち、自信を持って再録し広く読んで欲しいと著者自身が選んだ論文集と感じられる。 特に、記紀に記された神武東遷と饒速日命、物部氏との関係の論文は非常に説得力があり、民俗学から考察する古代史にあらためて感激した。 ただし、著者が以前から神社における祭神や伝承をそのまま歴史の考察に使う方法への疑問が、歴史学者からあるが、それへの反論が少ないようであった。 市井の古代史論者の一人。
2013/11/28
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