日本の名随筆 (別巻94) 江戸
日本の名随筆 (別巻94) 江戸 / 感想・レビュー
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田中優子編集からもわかるとおり、本書の眼目は固定化された「江戸」を「エド」に置換し、「江戸」という記号体系をくつがえし、ほりくずし、うらがえすことにある。田中優子は、いい意味で「ミーハー」なエド研究者だが、そもそも鎖国をしていたわりには文化的には融通無礙という江戸のミーハーさがあり、江戸という記号の坩堝にはまだまだホンヤクされていない多彩な堆積がある。前田愛の論考がはいってるのがいい。モダンとプレモダンの接着点の動態をえぐりだした文学研究者は前田愛(よしみ)なのだ。
2009/08/14
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