日本の名随筆 (11) 酒
日本の名随筆 (11) 酒 / 感想・レビュー
Shin
『名文どろぼう』という本でとても気分の良い文章が引用されていたので取り寄せてみた。文士女傑たちの「酒」にまつわる想いの吐露の数々。酒飲みは、酒を飲むという行為に対して何か語らないと気が済まないらしい(自分も含めて)。酔眼の中に何を見、何を思い、何を書くか。その営みは人生そのものであり、着飾らないその人の人生の精髄が結晶となってこぼれ落ちる素晴らしき(ときに哀しき)瞬間でもある。ところで、1995年25刷版が届いたのだけれど、それいらい増刷はされていないのだとしたらもったいない。
2012/10/19
なめこ
名随筆シリーズのなかから酒をチョイス。酔いを楽しむ者、二日酔いを嘆くもの、食事との取り合わせを語る者、時代と酒の関わりを懐かしむ者、etc。。。いつの世も切り離せない酒という文化に想いを馳せつつ、米不足で酒が作れなかったりメチルで失明したりしていた時代の呑兵衛たちを偲んで献杯。
2014/09/27
Sakie
ぴんとこないもののほうが多かった。ばさばさ読み進める本ではない。だけどひとつひとつ丁寧に読むには、知識人でない私には知らないお名前が多すぎた。そして人柄を推し量るには文章が短すぎた。たぶんに開高健や高野秀行のような、凡人未踏世界のエッセイを望んでいた。だから坂口安吾ぐらい度外れるか、しみじみ感じ入らせる随筆でないと印象を持てないのだ。
2014/06/18
ポン
『葡萄酒と心意気』沢木耕太郎 モデルは有名な方ではありませんが、興味深く読めます。沢木氏の酒と食の話は、シンプルな中にとても味わいがあります。『深夜特急』でも食べ物のシーンが結構好きなんです。 『地球はグラスのふちを回る』開高健 『ウイスキー』山口瞳 『葡萄酒とみそ汁』吉行淳之介 『酒の功徳』金子兜太 『酔漢』小林秀雄 『私の酒と肴』田辺聖子 『ニゴリザケ濁れる飲みて』壇一雄
2018/04/02
糸くず
田村隆一「越の寒梅」の生き生きとした文章がすばらしい。開高健、後藤明生、北杜夫、山口瞳ときて田村隆一、この流れがたまらない。森崎和江「焼酎」のしみじみとした悲哀、高橋和巳「酒と雪と病」の陰のあるたたずまいも味わい深い。
2010/02/05
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