日本の名随筆 (14) 夢
日本の名随筆 (14) 夢 / 感想・レビュー
misui
アンソロジーテーマは「夢」。夢そのものを書いたもの、夢に関する私見を述べたもの、夢の文化についてのものなど広く集めている。安部公房「睡眠誘導術」、「馬が焼け死んだ火事の焼け跡を山の上から眺めると馬の形になっていた」というエピソードが印象的な小川国夫「燃える馬」、矢野誠一の落語エッセイ「夢金」がベスト。
2012/05/21
あおい子
【図書館】芥川龍之介はカラーの夢を見ていたとか、萩原朔太郎は灰色の夢を見ていたとか。澁澤龍彦先生の幻想的で哲学的なお話が好きです。高橋たか子先生の、日本人にとって昔から夢というのは特別な物であったというお話もとても興味深く読めました。万葉集などで詠まれる『夢で会いたい』といった内容の和歌は今の時代を生きる我々もロマンチックに感じますね。『夢』を扱った随筆のオムニバス。とても楽しく読めました。個人的に面白かったのは、夢とは関係ないのですが、吉行淳之介氏の随筆の中の『アンパンは春の季語』というお話。
2015/03/25
でんすけ
さまざまな作家の文章を、特定のテーマで串刺しにしたエッセイ集。面白い企画で、顔ぶれも豪華で、優秀。今作は夢がテーマ。古井由吉を探してよむ。
2024/07/19
:*:♪・゜’☆…((φ(‘ー’*)
埴谷さん編集だから面白い。夢という同じタイトルでもずいぶんと世界観が異なるが、戦争の影響を受けてる作家が目についた。トラウマをなんともうまく表現、これぞ文学者の意地。深く心に残ったのは原民喜「夢と人生」現実と夢の場面が交差する世界、原爆投下にあって2年後「夏の花」、その2年後のエッセイ。そしてこの2年後に自殺。(このエッセイ2018年に別本で既読だった!)芥川は夢の中で発句「しかし後に思い出して見ると、それは無残にもこんなものだった。――『お神輿の渡るを見るや爪立ちて』」これが無残というレベル(=。=)
2022/10/09
strafkolonie
小さく、美しいものが無限に並べてあるような 蒐集癖のある人間にはたまらないシリーズ どれほど味わっても失われず、読み手の変化とともに刻々と姿を変える様が、後期の倉橋由美子著作の甘美な食事シーンを彷彿とさせる 贅沢
2014/12/11
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