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蔵書一代: なぜ蔵書は増え、そして散逸するのか

蔵書一代: なぜ蔵書は増え、そして散逸するのか

蔵書一代: なぜ蔵書は増え、そして散逸するのか

作家
紀田順一郎
出版社
松籟社
発売日
2017-07-17
ISBN
9784879843579
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ジャンル

蔵書一代: なぜ蔵書は増え、そして散逸するのか / 感想・レビュー

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KAZOO

紀田さんの悩みはよくわかります。私もいつも本を購入しすぎて、何年かに1回は古本屋さんに来てもらいます。最近は自宅に本を所蔵する方は少なくなっているようです(とくに大きな美術本などですが)。紀田さんはさまざまな方の本の処分の状況などを書かれていてご自分も結局2万冊を処分した日(その後意識を失ったりしたこと)のことなどを書かれていますが、私も気持ちはよくわかります。紙での文化はなくなってほしくはないと思うのですが。

2018/03/11

jam

「永訣の朝」に始まる蔵書との別離は、老境の選択にある「断腸の思い」が胸に迫る。「情報」は、わずか半世紀の間にその価値も在りようも大きく変わった。著者の回顧は蔵書への思いのみならず、知識への希求や資料価値、流通など多岐に渡り興味深い。そして私も、著者には及ばないが、亡き後の「本たち」ことを考える。それらは私を私たらしめた一部ではあるが、私はそこに宿らない。真の自由とは未練を断つことだし、それは死の摂理でもある。意志の欠片は繋がり、やがて名も知らぬ誰かの一部になる・・・とは思うが、しかし、断遮離は進まず…

2017/09/20

HANA

蔵書三万冊を手放した著者。それをきっかけに、蔵書問題へと斬り込んでいく。冒頭に蔵書を手放す描写があるのだが、そこは読んでいるこちらまで身につまされる思いがする。そこから蔵書家死後の蔵書の行方へと論は及ぶのであるが、ここで語られているのは名高い文筆家ばかり、我々のような多少本を多く持つような一般人には余り参考にはならなかったかな。図書館が受け入れを拒むというのはよく聞く話だけど、多少の文名では受け入れてもらえないのかな。その他の書物の疎開や乱歩と蔵書、全集と出版文化等は書物愛に溢れていて実に面白かった。

2017/08/17

アキ

半生をかけて集めた蔵書約3万冊を載せたトラックが遠ざかっていく様を目にしながら、私は路上に崩れ落ちていた。なぜそんなことがおこってしまったのか?そこには個人の蓄積としての文化財の受け皿がない背景があり、わが国の最大の欠点であると批判する。スペース不足と財政難。文化予算の飛躍的向上がないかぎり現状は変わらない。解決には蔵書館型、自宅開放型、シェア・ライブラリ型とある。個人的に蔵書はそれ程ないけど、できるだけ残さないよう心がけよう。人生の最期にまで共にする本だけを残して。そして毎日それを探す旅をしているのだ。

2019/04/18

Nobuko Hashimoto

自身の高齢化に伴い、大量の蔵書を処分した著者はその場に崩れ落ちる。という体験談から始まり(この部分はたいへん面白い)、個人の蔵書の起こりや、文人たちの蔵書の保存や散逸、戦中の書物の疎開、出版界の隆盛と衰退などについて語る。現代の出版界/物の水準が落ち、古書界の品揃えや個人蔵書もレベルが落ちているというような話が続くところは少々辟易。著者が想定する「蔵書」とは、どうも著者が重視してきた分野や、著者が理想とする人物や書物に限定されたものなのかなという感じで、ちょっと冷めた。

2023/01/03

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