平井呈一生涯とその作品
平井呈一生涯とその作品 / 感想・レビュー
志村真幸
怪奇小説の翻訳者として知られた平井呈一について、その生涯と業績を調べ尽くし、未発表だった短篇小説なども収録した一冊だ。 紀田順一郎と荒俣宏は、いずれも平井に私淑し、若干の交流もあったという。 伝記的事実にいては、年ごとにまとめられている。よくぞここまで、というくらい詳しく、新発見の事実も多い。しかも、無味乾燥な事実の羅列ではなく、ちゃんと読める内容だ。 平井の伝記的研究としては、まちがいなく決定版だろう。 未発表の怪奇小説は3篇が収録。ただ、世に出なかったのもわかるような……。
2023/04/04
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