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封を切ると

封を切ると

封を切ると

作家
多田智満子
出版社
書肆山田
発売日
2004-01-01
ISBN
9784879955968
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封を切ると / 感想・レビュー

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いやしの本棚

高橋睦郎編集構成の遺詩集。付録に句集「風のかたみ」と謡曲「乙女山姥」収録。ずっと本が読めなくて、鞄の中にぽいと入れて持ち歩いていたのだけど、三連休のあいだに、ゆっくりゆっくり読んだ。詩人の遺言は、病みあがりに口にする重湯のように沁みた。変化が苦手だからずっとここにいるのに、周囲の風景がすごいスピードで流れていって、もう一年前とは感じ方も違う。若い人たちの間にいて、老いのはじめ…ということを思う。そんな時に多田智満子の遺詩集を読めて良かった。病を身の内に持ちながら、なんて明るい、なんて軽やかな。

2018/08/13

ぞしま

これはもう、涙無くして読めないです。詩人最後の作品。"すべてが終ったとき 虚空に梅が薫ったのだ"泣ける。

2016/01/23

よっし~

あさってから手紙が来るよ/あしたのことが書いてある/あしたってつまりきのうのこと/あしたのわたしはごきげんですか/今日を折り目にして/あしたときのうが向きあっている/みんな読みちがえてしまうのさ/あしたをきのうと/きのうをあしたと(「夏の手紙」)。博識の翻訳家にして詩人・多田智満子の遺作集。病を得、間近に迫った死に際して身辺整理をしていた時期の作品なのに不思議なほど機知に富んで明るい。付録に作者の告別式司式次第、遺句集、年譜、献辞(池澤夏樹、小池昌代、高橋睦郎)を収める。

2020/02/08

cue.1

○◎詩と短歌と謡曲、うたの遺稿を集めた2冊組。死を前にこれまでにない作風のものもある。と同時に、生と死の「碁石ならべ」をしながら、「島」「薄明の府」「骨そのほか」などのように、虚空へとめくりあげ失貌のたそがれへゆく詩群に息をまく。山姥が下敷きの謡曲「乙女山姥」はもはや著者の文学作品の域。素晴らしい。私の拙い古文読解力でも音読でイメージが拓けてくる。なんという才女か!

2015/02/09

うさぎや

あたたかな言葉が花弁のようにはらはらと静かに、かろやかに降り積もる。そんな印象の遺稿集。

2014/01/01

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