空のかあさま (影絵ものがたりシリーズ 2)
空のかあさま (影絵ものがたりシリーズ 2) / 感想・レビュー
やすらぎ
庭の隅で夏草ほろりと泣いている。空を舞う鳥のように皆が広く見渡せていたら、どんな世界になるのだろう。明るい方へ。どんなにこの世界を着飾ったとしても、自然の営みに逆らうことはできない。木を切ったって潮風に吹かれながらひこばえは空に向かう。若芽の香りするばかり。ふっと寂しい夕暮れに雨は降ったり止んだり。人は行ったり来たり。渦巻く流れはどこまでいくのだろう。山口県に生まれた金子みすゞさん。人情深い精神風土で豊かな感性を培い、郷里の思いを綴る。生あるものへの深い思いやりと優しさを。石井昭さんの鮮明な影絵とともに。
2022/06/26
ヒラP@ehon.gohon
金子みすゞの詩の中でも、旅情のこもった詩と影絵が、とても哀愁を誘います。 見開きごとに、引き込まれてしまう詩画集です。実際の場所を知らないのでずが、旅をしていような感じになりました。 影絵がとても素敵です。
2022/04/02
touch.0324
金子みすゞ詩画集。「みんなちがって、みんないい」で有名な『私と小鳥と鈴と』も収録されている。詩の素晴らしさは言わずもがな、石井昭氏の影絵の美しさに感動した。瀬戸内海、渦潮に煌めく日の光、潮風の薫る路地裏、夕凪、祭囃子。美しく牧歌的な日本の原風景が琴線に触れる。石井氏は金子みすゞや種田山頭火と同郷の山口県の生まれ。詩と画がこれほどシンクロするのも道理である。同シリーズの山頭火詩画集『うしろすがたのしぐれてゆくか』にも石井氏の影絵が使われているようで、見逃せない。
2014/10/19
こなつ
金子みすゞの詩に影絵がとてもしっくりとくる。優しい詩。優しい気持ちになれる。
2016/11/01
おはなし会 芽ぶっく
『シベリアの豆の木』 https://bookmeter.com/books/1175419 から追っている影絵絵本シリーズ。金子みすゞの20の詩が載っている。 「 弁天島 / 小松原 / 極楽寺 / 王子山 / くじら法会 / 瀬戸の雨 / 大漁 / わたしと小鳥と鈴と / みこし / ぬかるみ / 障子 / つゆ / 星とたんぽぽ / たもと / もくせい / 木 / 積もった雪 / 日の光 / 美しい町 / 明るい方へ 」 1枚の影絵で1つの詩を描いているが、その背景や読みとれるものが素晴らしい。
2021/11/24
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