明るいほうへ―金子みすゞ童謡集
明るいほうへ―金子みすゞ童謡集 / 感想・レビュー
やすらぎ
明るいほうへ向かって咲くんだね。どんなに冬が長くても、春には花が咲くんだね。黄色い花が咲いたなら、また黄色い花が咲くんだね。青い空を見つめても、黄色い花が咲くんだね。遠い遠い昔から、ここに咲いているんだね。何度か踏まれたんだけど、今も咲いているんだね。夜は少し閉じるけど、星を見つめているんだね。月から種が落ちてきて、夜の花を咲かすのよ。水面に浮かんで流されて、きっとどこかで咲かすのよ。どんな色をしているの。夜の色をしているの。雨の夜はどうするの。そっと閉じてうつむいて、私と一緒に、明るいほうを見つめてる。
2023/02/19
優希
子供の視点で書かれた童謡の数々があたたかくて優しい。豊かな感性と美しい世界を感じました。心が癒され、明るい方へと歩き出すようです。嬉しくなり、幸せな気分になりました。
2016/01/23
れみ
金子みすゞさんの3冊ある童謡集のうちのひとつ。言葉が柔らかく温かみがあって可愛らしくてほっこりするのに、ときどきハッとさせられるような表現や視点にドキッとする。このなかでは「夜ふけの空」「すずめのかあさん」「二つの草」「月の出」「おおみそかと元日」「花屋のじいさん」が好きかな。こんどまた図書館で別のを借りてきてみよう。
2015/01/22
chatnoir
『見えないもの』『草原の夜』...が素敵だった。寝ている間には花が咲き乱れているし、瞬きの間には天馬が通り過ぎている。嘘じゃないよ、嘘だって言える人はいないんだし(笑)草原の夜には月光が降り注ぎ草を育て、天使が降り立って花を咲かせているのかもしれない...明日の誰かの喜びのために。情景も心根も美しい。そして、『すずめの母さん』や『鯨法会』のような立場の弱いものから見た 哀しくて切ない詩(うた)も素敵だった。
2018/07/24
ume
★★★★★ 過去読再読。 子どものような無垢な心のようで、自然もすべて包みこむ壮大な慈愛の心で満たされている。 存在するひとつひとつのものたちも、慈しみで溢れている。 考えて書けるものではない、みすゞさんの心の声。 『わたしと小鳥とすずと』とは違う世界の広がり方。 何度も再読したい本。
2024/01/20
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