恐怖小説コレクション 2
恐怖小説コレクション 2 / 感想・レビュー
ROOM 237
昭和20年辺りのチョット色っぽい怪奇幻想アンソロジー、色っぽいのは好きではないが名作「くだんのはは」の他にも屋敷モノが入っていてオーこれは!と読む。日常では除湿機依存症だけど怪奇モノはどれだけじっとりした空気に包んでくれるかが重要で、今回最高湿度を叩き出したのは島田一男さん「無花果屋敷」でやんした。無花果の葉が生い茂るくらぁいお屋敷の、湿気で波打つ床の上での男女のお話し。どのお話も見事に高湿度で、昔の手紙や公衆電話でのやり取りで時間が間延びするような感覚って怪奇幻想の空気感にぴったりなんだなァ。
2021/10/12
nashi
昭和20~50年代の恐怖短編小説8篇。戦前の作品を集めた幻想的な前冊と比べると、敗戦後の世相を反映してか、人間のドロドロした欲望や、免れ得ない恐ろしい運命が描かれたものが多い。ドライな筆致の「からす」(多岐川恭)、ぬめっとした質感の「蠟人」(山田風太郎)は、人非人を描いて怖かった。戦時中の不条理を象徴するような「くだんのはは」(小松左京)、独創的な異人譚「鬼の末裔」(三橋一夫)も面白い。総じて戦前の作品よりぐっと読みやすくなっている。
2011/06/08
エリオちゃん
くだんのはははそうでもなかった。 無花果屋敷とからすが好み。 山田風太郎は作風まんまだった。 個性が強い。
2019/09/04
みい⇔みさまる@この世の悪であれ
☆×4.0…2作品は再読で、うち1作品は内容を把握しているので飛ばし。やはりダントツにきつかったのは山田風太郎の「蝋人」でした。文章がまず非常にグロい、そして完全にフェティシズム、どころか変態、狂気に満ち満ちていて実に気持ちの悪い作品でした。そのほかでいえばよくよく考えてみると恐ろしいということが判明する「からす」とか…いえることはとにかく夜に読むものではないということ。なんか気配を感じてしまうんですよね。
2012/04/23
げろ
多岐川恭『からす』
2012/05/25
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