名探偵コレクション 3 点の巻: 砂村朝人の全事件
名探偵コレクション 3 点の巻: 砂村朝人の全事件 / 感想・レビュー
timeturner
売りになっている翻訳英文を使った仕掛けは今読むとどうってことないが、周到に張り巡らした伏線をきちんと回収してあるのやほんのりロマンス風味なのが仁木悦子らしく、満足のいくミステリーだった。
2016/05/25
hamham
天藤真「遠きに目ありて」から。長編「青じろい季節」は人物の血縁関係が狭くてびっくりするとともに混乱。昭和までは子を養子に出したり縁組したりするのが頻繁だったのかなぁ。巻末の作者の夫君の寄稿は、今は亡き妻を尊敬し心から愛してるのが伝わってきて暖かくも物悲しく胸に沁みる。
2014/07/26
kagetrasama-aoi(葵・橘)
翻訳業者である砂村朝人を主人公にした長篇一編と、その続編とも言える短編一編、そして砂村氏が登場しない短編がボーナストラックとして一編収録されています。先ず、翻訳業者という職業に興味を惹かれました。そして、その狭い業界内で起きた殺人事件。犯人、最後までわからなかったです……。読み返すと、伏線張り巡らされています!現代より、養子縁組があまり抵抗なかったんでしょうか?複雑な家庭事情が犯行の動機、銃爪になっているので、そう言いう意味では時代色があると言えばあるような。途中からのロマンス色と相まって(続く)→
2015/12/24
きら
仁木悦子さんの話は、文章自体が柔らかくて人に対する目も優しくて、後味がいい。 天藤真さんの小説のモデルになったという障がいを持つ青年に対する描写も、仁木さんでなくては書けないと思う。 3つ話が入っているのですが、全て人生の複雑さを考えさせられる内容でした。
2020/12/22
竜王五代の人
独立独歩の男・翻訳屋砂村朝人の推理譚。ちとシニカルだけど真摯にあたる態度が、人々に一目置かせるところなのだろうな。あの英文のトリックは、夫君と協力してつくったものなのだろうか? ボーナストラックの「一本のマッチを擦る時」はこの作者には珍しく陰鬱な雰囲気で、三影潤ものにも通ずるものがあると感じた。
2022/05/21
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