くちづけ (ふしぎ文学館)
くちづけ (ふしぎ文学館) / 感想・レビュー
つらら@道東民
異界との交流を描いた短編、14話。どことなくエレガント、かすかに甘やかな世界が広がっています。一番好きなのは、亡くなった友人が何度も訪れる夫婦を描いた『親友』。設定だけなら漱石の『こころ』のよう。語られていない部分が多くて、色々と妄想させてくれます。次点で、叔母との思い出を語る『足』かな。文章がしっかりしているので頭の中で映像が流れる感じがします。ノスタルジックな雰囲気が好き。
2014/03/07
サトシ@朝練ファイト
「シュルシュル」と「蛇口」は、どの短編集にも収録されてなく作者の新人時代の習作。
2018/05/12
prism
『くちづけ』。祖母に連れられて、ピアノを習いにきた熱心な少女は、すでにこの世の人ではなかった…『ミミ』。子供のころ大好きだった亡き父のお妾さん・信子。その旧宅で、彼女の霊と逢う美也子…『鬼灯』 異界・ふしぎ文学14編。 くちづけ・神かくし・しゅるしゅる・足・康平こ背中・首・デ・ィオリッシモ・生きがい・ミミ・親友・鬼灯・車影・蛇口災厄の犬〜おばあちゃん帰ったはずなのに家に着かない。
2023/09/27
竜王五代の人
この先生の単著は初、だと思う。女性作家には不倫を題材にするのが好きな人がしばしばいるが、この人もその口だとわかって、そのあたりは私の好みには合わないと分かった。/「くちづけ」不倫の純愛=永遠の陶酔?/「康平の背中」ホラーは理屈の通ってないところがあるから怖いというのは分かるが、これは一周回ってわけわからなさが先に立ってしまった。/「災厄の犬」妻をお嬢様育ちと嘲る当人が優柔不断で考えなしの男なので、犬が貧乏神に見えるのは作中にある通り気のせい、単なる思い込みじゃないかと思えるのがなんとも。
2022/01/05
砂糖
幻想ホラーとでも言うべき、優雅で切なくて怖い短編集。奇をてらったものはないが、しみじみ読ませる。
2016/03/31
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