日本SF全集 2 1972~1977
日本SF全集 2 1972~1977 / 感想・レビュー
コットン
SFブームを牽引した第二世代の作家たちの短編集。全体を通して(当時のSFは広い範囲だったんだな~)という印象を持ちました。川又千秋:シュールレアリスムの幻想世界が素敵だった『幻視狩り』の元ネタの『指の冬』が収録。山尾悠子:『遠近法」は以前読んでいたのを思いしたが良いものは良い!。河野典正:ハードボイルドやジャズ小説の印象しかなかったがSFも書いていたんだ・・・。田中光二:短編集の冒頭を飾る『メトセラの谷間』の著者の言葉に「いわゆる若書きである。」とあるがこれが一番面白かった。
2013/05/18
くさてる
錚々たる面子の日本SFアンソロジー。既読のものも何作か。個人的にはちょっと難解な作品が多かったけれど、その感覚込みで楽しめたのが、川又千秋「指の冬」、山尾悠子「遠近法」。ラブストーリィとしての切なさが胸に迫ったのは鈴木いづみ「アイは死を越えない」、梶尾真治「美亜へ贈る真珠」。SFらしい飛び抜けたハチャメチャさが明るくて楽しかったのが、横田順彌「真夜中の訪問者」、野田昌弘「レモン月夜の宇宙船」。楽しめました。
2015/08/29
ぐうぐう
黎明期を経た日本SFが、早くも豊穣となった70年代の傑作短編を収録した第2巻。帯にもあるように、黄金期と呼ぶにふさわしいラインナップだ。驚かされるのは、この時点ですでにSFが様々なバリエーションで描かれていることだ。個人的には、ハチャハチャぶりが楽しい横田順彌の「真夜中の訪問者」、『幻詩狩り』の元になった川又千秋の「指の冬」、ダリ的宇宙を物語る荒巻義雄の「柔らかい時計」、澁澤の『幻想の彼方へ』から着想を得た山尾悠子の「遠近法」、そして何度読んでもせつなくなる梶尾真治の「美亜へ贈る真珠」がお気に入り。
2010/03/24
fukumasagami
既読は1/3。SF読み始めた年代なのにあまりにも読んでいなかったなー。山田氏、川又氏、高斎氏、鏡氏の作品を新たに”発見”した。かんべ氏今読んでもぜんぜん旧くない。山尾氏、鈴木氏は独自の感性が素晴らしい。梶尾氏作品はもはや古典的。
2010/09/04
けいちゃっぷ
いわゆる日本SF第2世代。当時はいざ知らず、パッとラインナップを見たところ第1世代と比べて層が薄いというかネームバリューが落ちるというか。せっかくSFブームが来たのに、それを生かせず第1世代が築きあげたレールに乗っかっているだけだったような。収録作ではひいき目なし(?)で山田正紀がダントツ。全体的には、これの前に読んだ『NOVA 2』に比べると、牧歌的というか絵空事というかおとなしいというか危機感がないというか・・・。453ページ
2010/07/31
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