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橘傳來記: 山田風太郎初期作品集

橘傳來記: 山田風太郎初期作品集

橘傳來記: 山田風太郎初期作品集

作家
山田風太郎
出版社
出版芸術社
発売日
2008-11-01
ISBN
9784882933618
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橘傳來記: 山田風太郎初期作品集 / 感想・レビュー

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ひこまる

山風作品の特徴といえば類まれな構成力、豊富なアイデア、シニカルな視点・・・その他諸々あるが、全作品の根底には「熱さ」が流れていると自分は思う。そしてこの作品集は山田誠也少年の荒削りながらも「熱さ」が前面に押し出されていて終始圧倒されてしまう。特に表題作の心理描写の巧みさは17歳の少年のものではなくすでに「山田風太郎」であり、同じ年齢で自分は何をしていたのだろう?と何故か滅茶苦茶へこんでしまったorz 作品だけでも十分楽しめるが、巻末の解説を読んでから読み直した方が山風ファンならもっと味わい深いと思う。 

2012/10/10

unknown

山風「超」初期作品集。中学~高校生時代に書かれた短編ということで、やはり勉学や受験を巡る葛藤が描かれた作品が多し。エロやグロを絡めての奇想なふしはこの頃まだ全くなく、マジメさと初々しさが際立った、まさに氏の原点。異郷で十年を過ごし、無事故郷に帰還したものの、妻を奪われ、帝にも先立たれ、居場所すらなくした男の葛藤と諦念を描いた表題作は収録作の中でも白眉。

2010/11/06

やいゆえよ

風太郎の早熟っぷりを見せつけられてしょげかえる。表題作の巧みさ! 他はたいがいどこかで読んだ覚えがあったが「鳶」の主人公は風太郎自身だと思うと胸が締めつけられる。

2023/03/09

gibbelin

先生は山田君の才能に驚きあきれたよ。有本先生の「考証・解説」はなんべんも読んでしまった。

2012/07/08

po-op

なんちゅう不敵で生意気で欲望の旺盛ながきだろうか。散漫な文章ではあるんだけどエネルギーが迸っていて読んだあとちょっとの間魂消ておりました。本当に果物一塊に十年の苦闘が帝への愛慕が田道間守の孤独が寄る辺なき哀切が圧縮されそこに転がされていたのです。(果物は健気なるものの演出の憑代として非常に力があると思う)そして畏れ多くも帝を利用しようとしていた自分の不忠に愕然とし胸の憑き物が落ちる、一番素朴な姿に戻る。だから何の衒いもなく「強くなれよ」と言う。俗人にはその純真さがこの世ならざるものに思えてよろけるのです。

2012/04/10

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