邪神帝国・完全版 (TH Literature Series J-08)
邪神帝国・完全版 (TH Literature Series J-08) / 感想・レビュー
イツキ
もしナチスの背後にクトゥルフの邪神たちが存在したらという物語。タイトルに反して邪神たちは前面に出てくることは少ないのですが、邪神たちに傾倒して行動していくヒトラーを初めとする人間たちの行動が恐ろしいです。他のクトゥルフ神話をモチーフにした作品とは違った種類の読み味が新鮮に感じられました。
2020/04/10
圓
「買った記憶がないのに、いつの間にか手元にあった。」というこれ以上ない上質な登場の仕方で手元に来てくれた一冊(実際は、色々とまとめ買いしたので記憶がないだけだと思うんだけど)。相当昔に読んでいるようで、「この物語を俺は昔読んだような気がする。いや、俺は確実にこの恐怖に触れたことがあるぞ!」という感覚に陥った。テッパ=ツェンポ導師に記憶を消されたのかもしれないが。
2021/01/27
ケイト
復刊・完全版を機にふたたび通しで読んでみて、すこしも色あせていないどころかかえって濃く感じられることにおどろき、おののきました。侵攻や探索やUボートといったナチスの主な歴史を、魔術とオカルトそしてクトゥルー神話で語っている「ホラー作品」なのに、史実だと信じてしまいそうになる迫真性があって。最後の「魔術的註釈」(必読!)もふくめるとより精神をゆさぶられますし、何より、現代とかさなりすぎていて、怖い。読み終えたいまとなっては、どうかすべて虚構で、そんなことが本当にありませんようにと強く祈らずにはいられません。
2020/01/10
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