地獄: 西岡兄妹自選作品集
地獄: 西岡兄妹自選作品集 / 感想・レビュー
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表情のない不気味なイラストや、脈絡のない理解不能な展開で、悪い夢を見ているような世界観にどっぷり浸れる漫画でした。表題作の「地獄」では、なんの変哲もない日常に絶望している。以前読んだ西岡兄妹の『人殺しの女の子の話』もそういうお話だったな。親を殺したり、女を殺したり、、大切なものを全て壊した後の心の静寂だとか自分が何なのかわからなくなっていくような 不安な気持ちが表現されていたり、、読後、虚無感に包まれます。
2021/02/10
三柴ゆよし
よくもまあ、これほどまでにグロテスクな悪夢を描けるものだ。芥川龍之介は自身の死の理由を「唯ぼんやりした不安」という言葉であらわしたが、それこそが西岡兄妹の作品全体に通底しているテーマであるように思う。余談ですが、リビングに置きっぱなしにしてたのを家人が読んでドン引きしていました。
2009/06/03
ささやか@ケチャップマン
脈絡のない他人の夢を読んでいるような感覚。これに感想を求めるのは難しい。
2015/08/26
を
カフカ的不条理と悪夢。底なしに虚ろ。表題作の地獄がよかった。「地獄に落ちていた」窓を開けても地獄。テレビをつけても地獄。そこには我々の生きる普遍な日常が広がっているだけなのだが。
2021/04/08
cica*
再読。イラストに惹かれて購入。「どよ~ん」という音がしそうな背景に、淡々としたモノローグ。加えてとらえどころの無いストーリー。虚無とはこういうこと?でも、ちょっぴり滑稽さもあって、嫌いにはなれない。何を考えているのか分からないけど、こういう人の隣にそっと座っていたいときもある。そんな本。
2012/05/10
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