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水鏡綺譚

水鏡綺譚

水鏡綺譚

作家
近藤ようこ
出版社
青林工藝舎
発売日
2004-05-01
ISBN
9784883791576
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水鏡綺譚 / 感想・レビュー

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眠る山猫屋

途中まで読んでいた作品だが、とても素晴らしく感じた。戦国時代を舞台に、狼に育てられ修験者に学んだ少年ワタルが拾ったのは、魂が抜けたようなふわふわした少女・鏡子。鏡子を送り届ける旅に出た二人の道中。どこか寂しく、切ない道行き。様々な怪異に遭遇しながら、二人は絆を深めていくが、二人の旅路の果てには別れが待っている。それでも二人は、お互いがいれば救われていて、心は離れ難く結び付いていて・・・。この二人の旅をずっといつまでも、見ていたかった。

2019/07/03

井月 奎(いづき けい)

人は人との別れに、生きることが苦しくなるくらいの気持ちに苛まれることがあります。しかし、人は生きていかなければなりません。なぜでしょうか、それが人の定めだからでしょうか。仏教の業、キリスト教の原罪、多くの宗教が言うそれらの人が人である限り逃れられないことを背負いつつ生きていくことに意味があるのでしょうか。この漫画を読んで、それがわかるわけではありません。しかしそれでもなお生き抜いて新たな関係を構築していくこと、それを続ければなにかが見えてくるのではないだろうか、と思わせてくれます。

2015/08/08

しゃちべえ

友人お薦めの近藤さん、まずは図書館にあったものから借りて初読。後書きで「カムイ伝」のような…と書いているが、まさにそんな雰囲気。素朴でいながら、優しく官能的ですらある。エロかわいいワタルと鏡子の関係は、長い時を経て、穏やかに爽やかに別れを迎えたがやっぱり淋しいね。鏡子が知恵を取り戻した時に二人は別れを迎える…。親子、師弟、恋人同士、そういうものかもしれないなぁー。

2013/04/27

Mariko Kawabata

この作家さんの話の中で一番好きかも?高橋留美子の人魚の話にちょっと似てるけど、怖さ半分くらいなのに、切なさはもっと感じる。心から相手の幸せを望んでいるのに、心の穴は埋められない。みんなそうで、だから儚くて、切なくて美しい。地味な漫画だけどかなりお薦め!!

2016/01/04

斑入り山吹

すばらしい!ああ、こんな話が読みたかった。最初のころの絵の線が、少し高野文子に似ていると思った。それにしても、ほんとにワタルは健気だ。拾ってくれた行者がちゃんと育ててくれたんだなぁ。ワタルが鏡子に魅かれていく様子はほとんど描かれていないにもかかわらず、なぜかとってもよく分かってしまう。別れの約束された話、どうなってしまうのだろう?と思いながら読んだが、しっかり良い終わり方にしてくれて、本当に良かった。12年も間が空いて、作者も苦しんだんだろう。いやほんとに、よい話だ、おすすめだ。

2011/11/19

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