赤ヒ夜 改訂版
赤ヒ夜 改訂版 / 感想・レビュー
夜間飛行
仮名遣いの誤用や馬鹿馬鹿しすぎるオチなど、半分意図的にやっているのだろう。力の抜け方と凄惨な雰囲気との落差が大きい。コマ割りも普通ではなく、ナラティヴはあちこち切断される。そうする内に笑っているのか笑われているのか判らなくなり黒い渦に巻きこまれていく。だが老婆を殺し虫に変身していく少年の話は、苦しみそのものが苦からの解放になっている所に花輪らしい抒情がある。その13年後に発表された、父と知らず老人の内臓を食らって生きる童女の話となるとさらに一歩踏みこんでおり、中期の花輪に繋がる生命力にぞくぞくしてしまう。
2015/07/19
tenso_h(堀川てんそ)
丸尾末広さんを何冊か持っていて、花輪さんは「刑務所の中」のみ所有。あれは代表作でも多分「花輪といったらコレ」という作風ではないんだろうなと思っていました。初期短編集らしいこれは「ああ・・昭和のエログロってこうだよな」と妙に納得。案外絵が綺麗なんだなと。
2018/04/13
感想・レビューをもっと見る