改訂版 ねじ式 つげ義春作品集
改訂版 ねじ式 つげ義春作品集 / 感想・レビュー
燃えつきた棒
僕のつげ漫画への愛は、ゴーゴリ「外套」へのそれに似ている。 つげは、描く。多摩川の河原で石を売る人や小鳥と会話する李さんをはじめとした社会の片隅にいる変な人たちを。 「変な人」、すなわち僕だ。 つげは、彼らの「面白うてやがて悲しき」ちっぽけな人生を、けっして嘲笑うことなく静かに見つめている。 その眼差しにどこか温かいものを感じてしまうのは、僕だけではないだろう。 『変な人でもいるんだよ。苦しいけれどもいるんだよ。』 「ねじ式」のシュールな不穏さがもっとも印象に残った。
2019/11/20
A.T
今、調布市文化会館で開催の「マンガ家・つげ義春と調布」展で久々につげさんの世界に触れたので、ついでに家蔵書を引っ張り出した。一冊読むと、つげ義春フィルターが脳内に装着され、令和5年現在の情景すら日本の原風景らしきモノクロ線画に早変わり… ああ、懐かしい。あらゆるモノが生活が、貧乏で古臭く見えてしまう。つげ義春ワールドは今も日本中に生きている… かも。
2023/01/09
内島菫
改めてつげ義春(の主要作品)を読みなおすと、ラストにインパクトあるいは特徴がある作家だなと思った。清水正の言う、ラストがそのまま冒頭へつながるような円環構造や、その円環構造とも関係ありそうなラストの何でもなさも感じられた。
2019/07/22
かやま
つげさんのサイン目当てに買ったんだけどこの改訂版先月出たばかりだったんだね。未読も何本かあったけど他の収録作は大体いつもの面子。久しぶりに読んだ『ほんやら洞のべんさん』が良かった。
2018/02/12
感想・レビューをもっと見る