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喋る馬(柴田元幸翻訳叢書|バーナード・マラマッド) (SWITCH LIBRARY 柴田元幸翻訳叢書)

喋る馬(柴田元幸翻訳叢書|バーナード・マラマッド) (SWITCH LIBRARY 柴田元幸翻訳叢書)

喋る馬(柴田元幸翻訳叢書|バーナード・マラマッド) (SWITCH LIBRARY 柴田元幸翻訳叢書)

作家
バーナード・マラマッド
新井敏記
柴田元幸
出版社
スイッチパブリッシング
発売日
2009-09-30
ISBN
9784884182892
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喋る馬(柴田元幸翻訳叢書|バーナード・マラマッド) (SWITCH LIBRARY 柴田元幸翻訳叢書) / 感想・レビュー

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紅はこべ

アメリカの市井の堅実なユダヤ人の生活を描く作家という印象だったが、幻想ぽかったりもする。表題作が典型かな。『店員』に続き2作目。どの短編も主人公が幸せじゃない。二者の抗争という話も多い。ミステリSFなどのエンタメ系以外の、20世紀アメリカの男性作家ってあまり得意じゃないんだけど、この作家は追いかけてみてもいいかも知れない。

2016/07/24

えりか

ユダヤ系作家マラマッド、初読み。どうしようもない悲しさが溢れた。愛も名誉も自信も何もかもを失った移民の孤独、貧しさ故の苦悩や貧しいからこその未来(次の世代)への希望、もしくは絶望、喋る馬の自我の目覚めと自由への渇望。生きていくということは哀しみの連続なのかもしれない。耐えていかねばならないし、不条理だと感じたとしても、運命を受け止めていかなければならない。それでも、わずかな希望を見いだしていけたら、それでいい。好きなのは「ドイツ難民」「喋る馬」「白痴が先」

2016/11/05

マリリン

ユダヤ系ロシア移民の子としてアメリカで生まれた著者の作品は、チェーホフを想わせる。幻想的な世界の奥底に独特な皮肉やユーモアに紛れ棲む主張。タイトルが物語る「ユダヤ鳥」、深く印象に残った「ドイツ難民」「悼む人たち」「白痴が先」、悲しみとユーモアが不思議なコントラストを描く「喋る馬」「最後のモヒカン族」。いずれもホロコーストや貧困等、不条理で深く重いテーマを孕んだ作中に抒情性が感じられた不思議な余韻が残る短編。著者の中に受け継がれた血の要素を感じた。

2022/12/25

アカウント停止

柴田氏の翻訳が好きなので借りた。最初の七年、金の無心、ユダヤ鳥、手紙、ドイツ難民、夏の読書、悼む人たち、天使レヴィーン、喋る馬、最後のモヒカン族、白痴が先、11の短編。著者はユダヤ系ロシア移民の子でニューヨーク生まれ。身勝手な靴屋の話、金を無心されるパン屋夫婦の話、ユダヤ語を話す鳥、ドイツ難民に英語を教える話、原稿が入った鞄を盗まれる話など、貧しい人々の身勝手な行動と、それに巻き込まれる人々の姿。決して美しくない、悲壮感漂う内容だが、ユーモアとペーソスで味付けされた抒情詩のよう。ここにも柴田氏の名訳あり。

2021/02/07

藤月はな(灯れ松明の火)

人生の苦味とエグ味が効いた短編集。ユダヤ系ロシア人というマラッドだからこそ、移民の孤独やマイノリティの矜持や存在性を描けたのかもしれない。『魔法の樽』で既読作品もあり。表題作は内田百閒の「件」をベースに、カフカの「断食芸人」の不条理さをテイストした感じ。しかし、柴田基幸氏のイディッシュ語に目から鱗が落ちる思いです。そっか、他の訳者さんのイディッシュ語は北欧弁化されない『FARGO』のようなものだったんだな~。そして「ドイツ難民」の悲し過ぎる愛の形に泣いてしまいました。

2016/06/23

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