かえるくん、東京を救う (HARUKI MURAKAMI 9 STORIES)
かえるくん、東京を救う (HARUKI MURAKAMI 9 STORIES) / 感想・レビュー
キジネコ
「私達の知らないトコロで殆どの事が決定されていく」騎士団長~でも言及された世界の潮流への抗しがたき諦観の様なものが此処でも描かれています。見えているもの、与えられるもの、知ることができる情報…生涯の時間に私達が触れるものは、この世界を作っているアラユルモノの細やかな一部でしかない。五感を排して心という器官に静寂を与えれば全く違う世界に佇む自身に気づく。其処には生も死もない原子の記憶が…と、また妄想を逞しく致しました。さて9つのピースが集まった時 私は何に気が付くんだろう。海底の火山、地底のみみずくん…
2018/02/25
ぐうぐう
バンドデシネで読む村上春樹シリーズ、第二作目は「かえるくん、東京を救う」。勘違いしていたようで、このシリーズ、毎巻描き手が違うもんだと思っていたら、前作「パン屋再襲撃」の翻案&漫画家が本作も手掛けている。どうやら、このコンビがシリーズ全九作をコミカライズするっぽい。原作は、かえるくんというファンタジックな存在が、大地震というリアルな災害から東京を救う(しかも手助けするのが、しがないサラリーマン)という意外な組み合わせが面白く、また読者それぞれが、かえるくんの造形をあれこれ自由に想像できるという、(つづく)
2017/10/20
空猫
カットメンシック氏のイラストとのコラボでなく、フランス人の漫画家とのコラボHARUKI MURAKAMI STORIES シリーズ。お気に入りさんのレビューから。近隣の図書館にはこれ一冊だけでした。ウーン。感想は原作を読んでからにします。
2021/05/02
OCEAN8380
かえるくんは本当に東京を救ったんだろうか?片桐さんの悪い夢だったのだろうか?
2018/08/27
メセニ
僕は生まれも育ちも神戸で、だから『神の子どもたちはみな踊る』という短編集には特別な思い入れがある。「かえるくん、東京を救う」はその中でも好きな作品だ。それをバンドデシネという視覚化された形で読む、その面白さは確かにある。でもそれはある意味具体化されたイメージをごくごく限定された形でインプットすることでもあるから、原作を読んだ時に掻き立てられた想像力や内部への刺激のような強い体験はない。何か得体の知れないものを浴びせられる怖さみたいなものが足りない。抽象性の中にこそ圧倒的なリアリティーやその肌触りを感じる。
2017/10/26
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