シェエラザード (HARUKI MURAKAMI 9 STORIES)
シェエラザード (HARUKI MURAKAMI 9 STORIES) / 感想・レビュー
キジネコ
破壊と再構築の9Storiesの三つめ。清逸 スタイリッシュ 真空の宇宙に浮かぶ不思議の断章… 全てを裏返し。嘗ての視覚化は?は、風の歌が… 100%の… パン屋襲撃… トニー滝谷… ノルウエイの… 次作はハナレイ・ベイ 美しき系譜を作家自身が「これなら どうよ」と壊しにかかった?コンセプションに酷く興味が湧いています。作画の手が日本の方ではない事が又面白い。メイキングの裏話が披瀝されることも期待したい。その筋の皆様は もしかしたら幻滅を御感じになるのでは… と密かに北叟笑む私も根性曲がりであることよ。
2018/05/15
OCEAN8380
女って怖いと思った。タンポンはどうなったのかな!?まだ置いてあるのかな!
2018/09/09
ぐうぐう
村上春樹の短編をバンド・デシネとしてコミカライズするシリーズの第3巻。前2作に比べると、「シェエラザード」は比較的新しい作品だ(『女のいない男たち』収録)。作画を担当するPMGLは、原作小説を踏襲しながらも、原作の重力に適度に逆らいながら、常に漫画であろうと心掛ける。主要な人物である男女の顔が、平安人のようなデザインなのは、さすがにやり過ぎだとは思うが、やつめうなぎの思い出を語る場面で部屋が水で満たされていくイメージは実に漫画的であり、あるいは映画的でもある(今年のオスカー受賞作を思い出す)。(つづく)
2018/05/28
アキ
「女のいない男たち」で2回読んだ話だが、このバンドデシネで読むとまた違った趣きになる。新鮮に感じ、絵がイメージを膨らませてくれる。「羽原にとって何よりつらいのは性行為そのものよりはむしろ親密な時間を共有することができなくなってしまうことかもしれない」「現実の中に組み込まれていながらそれでいて現実を無効化してくれる特殊な時間」お互いまとうものがないからこそ本音で紡ぎ出される言葉がある。大人なしびれる言葉たち。HARUKI MURAKAMI 9stories 3作品目。これからの6作品楽しみ~~
2018/06/08
tom
自発的軟禁状態の男と、その世話をする女が登場人物。女の語りがメインディッシュ。女は、高校生のころ、好きな男の家に白昼、忍び込んでいた。家人が誰もいない家に入り込むときの、じんわりとした空気感。男の部屋の探索、男の着たTシャツの臭いをかぐ興奮。40年前のに聞いた河合隼雄の講義を思い出す。テーマは侵入盗をした少女のメンタリティ。他人の家に入り込むことは、家族の空気に溶け込むこと。その願望の背景は、家族への憧憬がある云々。ちょっと違うかもしれないけれど、春樹さん、こんなメンタリティを感じ取る人なのだ。きっと。
2019/04/27
感想・レビューをもっと見る