眠り (HARUKI MURAKAMI 9 STORIES)
眠り (HARUKI MURAKAMI 9 STORIES) / 感想・レビュー
ぐうぐう
「眠り」のビジュアル化は、本作のBD版が初めてではない。かつてドイツでイラスト付きで刊行されたことがある(その際、村上春樹は改稿を行い、タイトルも「眠り」から「ねむり」へと変更された)。カット・メンシックのスタイリッシュなイラストが飾られたドイツ版と、このコミカライズでは、もちろんのこと受ける印象は違う。それでいて、読後の余韻としては大きく違わない。それは春樹の小説が持つ重力の強さに他ならないが、「眠り」(あるいは「ねむり」)を読んでいて思うのは、眠れなくなる主人公の心の変遷を描きながらも、(つづく)
2021/08/14
たまきら
新着コーナーから。コロナで一時的とはいえ引きこもりのような生活に甘んじている人間には息がつまるような話でした。全て受け身の女性の、それでも「能動的」なアクションはちょっとした怪談のような恐ろしさがありました。ルーティンを大切にしている人が崩壊したら壊そう…。
2021/04/13
コンチャン
村上春樹さんの短編が漫画になって読みやすくなっています。眠れないことで精神状態が不安定になっていく様子が、どこか怪談話のようでもあります。
2021/04/18
縁川央
これの小説を読んだ日から私はアンナ・カレーニナが読みたくなったけれどまだ読んでいないのでこないだ買ってきた。この作品はビジュアル化に向いていないと思っていたので今回刊行されて驚いたと同時に、向いていないから挑戦したのかもしれない。そもそも村上春樹の小説をビジュアル化すること自体が挑戦的な試みのように思うけれども。だからこそなのだろう。
2021/10/22
こたま
眠りが訪れなくなってから、それまで以上にフィジカルもメンタルも覚醒してしまった主人公。夫も息子も彼女の変化等は気付かず、彼女自身も一人でその状況を楽しんでいる。一方、このままま眠れなかったら?という不安も勿論あって、それから逃れるような行動も見せる。結末は分からないが、「眠り」とは不可解なものだとおらためて思った。
2021/03/02
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