タイランド (HARUKI MURAKAMI 9 STORIES)
タイランド (HARUKI MURAKAMI 9 STORIES) / 感想・レビュー
アキ
HARUKI MURAKAMI 9STORIESも最終巻。この短編もバンド・デシネで読むと、タイの湿度や北極熊の姿も、より一層情景を感じて、ありありと物語を体験できます。シリーズ最後だからかもしれませんが、しみじみと感動しました。阪神淡路大震災の後に書かれた短編です。「生きることと死ぬることとはある意味では等価なのですドクター」「いったん言葉にしてしまうとそれは嘘になります。言葉をお捨てなさい。言葉は石になります。」「なあニミットそれでは私たちはいったい何のために生きているんだい?」
2021/10/13
キジネコ
映画もそうですけど、イメージの固定が行われると小説から感じるイメージとのギャップが必ず生まれる様に思います。このシリーズはキャラクターの美化がない分独立した楽しさを与えてくれます。小説についてワタシ自身のイメージは?どんなよ?と改めて考えてみたら静かすぎる空間だけしか見えてきません。そんな事だから映画もバンドデシネも心ゆくまで楽しむ事が出来ないのに違いないと知りました。ワタシには不思議な作家です、村上春樹さんは。わが偏狭はササキマキさんの挿画の影響もありそうと不図思う今夜です。5/9冊め。
2022/10/02
ぐうぐう
「タイランド」は『神の子どもたちはみな踊る』で既読だが、今回、漫画で読んだほうがグッと来てしまった。それはこの短編が音楽について語ることで小説を語っているからだ。「いったん言葉にしてしまうとそれは嘘になります(略)言葉をお捨てなさい 言葉は石になります」漫画というフィルターを通すことで、より主題が伝わってくる。あるいは、死を意識することで生の意味を知る、これは小説だ。(つづく)
2021/09/23
コンチャン
村上春樹さんの作品が、漫画になって一冊の本になっています。とても薄いのですぐに読めますが、実際の小説の方もきになります。
2022/01/16
ひろさん
図書館の新刊コーナーから アメコミ風な絵柄の物語。小説を漫画にしたことで物語により一層奥行きがでた。阪神大震災後が舞台。 またこれも偶然だが、私が主人公と同年代になって出会った事で読んだ時の感情が違って来た。 歳はとってみる物だ。
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