ゆんぼくん 1 (バンブー・コミックス)
ゆんぼくん 1 (バンブー・コミックス) / 感想・レビュー
Potsumaru
この作品を描いた頃の西原はまだ未婚で子供もいないはずなのに、なんでこんなに母親の気持ちが痛いほどリアルなんだ…と、改めて読み返して驚く。子供が大きくなってしまう嬉しくて寂しい気持ちを茶化して道化て自分自身を誤魔化していないと切なくて死んじゃうかもしれないという視点をこんな物語に落とし込むなんて流行りの子育て漫画でもお目にかかれないぞ。もちろん子供が否が応でも大人にならざるを得ないその葛藤も、こんな風にさらりと切なく描ける作家を他に知らない。破天荒な作風と人物でお馴染みのサイバラの根っこがここにある。
Kavi
なんど読んだか分からない、西原マンガの傑作だと思っている。「ぼくんち」が港町で姉に育てられた貧しい男の子の話に対し、「ゆんぼくん」は山間の村の母子家庭で育った男の子の話。これは、長年コンビを組んでいる山崎一夫氏の影響があるのではと思う。こんな山間の丘のある村があるのなら、いずれ住んでみたいと思わせる美しさだ。
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