ほのかな夜の幻想譚
ほのかな夜の幻想譚 / 感想・レビュー
袖崎いたる
『この作家この10冊』という本の夢枕獏の頁で、「この作家は第二の宮沢賢治である」というような紹介がされていた。ぼくは「そんなアホな」と思った。しかしこの本を読んだ後ではその言説にも信憑が出るかも。収録の『風太郎の絵』という作品で暗に言及されているのを横に置いておくとしても、大体が〝ファンタジー〟とか〝幻想〟とかの形容が可能な物語で、その描写の間歇的な美しさと宇宙に浮かんでいくような意識の揺曳とは、あるいは宮沢賢治的なのかもしれない。とはいえ再読に耐える消費し難さがないのは若さゆえの力量不十分なのだと思う。
2016/01/06
hinata
夢枕獏さんの初期の短編集。
2021/07/25
こたつ
短編集。学生の頃読んだ事があり、懐かしくなって手に取りました。その時も特に好きだった「風太郎の絵」と「自分ぼっこ」。今、改めて読んでも、大好きな物語です。特に「風太郎の絵」は、何度読んでも切なくて泣けてきます。
2018/06/27
zzfog
以前どこかで読んだのだが、著者が担当編集者に、「流行作家の椅子がこの国には八つあります。新田次郎先生が無くなったので一つ空きがあります。この席に座る気はありませんか?」と聞かれたという話を思い出した。果たして座れたのかどうかはわからないが、山岳小説の血統があったからの話なのだろう。稚拙な部分も感じるが、若々しくて好感のもてる初期作品集。
2016/11/07
おこげ
おどろおどろしかったり力強い作品のイメージが強い作家さんですが、この本に収められているのは優しい雰囲気のファンタジー。妖精を捕まえる話好きだったな。
2016/08/10
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