樹のごときもの歩く: 推理小説
樹のごときもの歩く: 推理小説 / 感想・レビュー
gkmond
高木彬光の捻り出した解読は「いやあ苦しいなあ」と思ったけれども、文体模写は案外上手で作者変更が気にならなかった。で、不連続殺人事件は眠くなったおれでも、安吾パートが結構楽しく読めたので、印象的には安吾長篇推理の最高傑作なのではないかと思った。完成できなかったのは残念だったろうなあ。
2024/08/18
シロツメ
坂口安吾がつけた題は「復員殺人事件」だったが、あとがきにある三千代夫人から高木彬光が聞いた意図が本当にその通りだとしたら改題後にタイトルになった一文は本来そこまで重要なものじゃなかったのかもしれない。でもその意図がかなりシンプルなので「本当にそうだったのか…?」とあとがきでのコメント同様、首を捻るものがある。「樹のごとき~」の意味はともかく、不連続殺人事件より人間関係は分かりやすいものの坂口安吾が最後まで執筆したらどんな話になったのだろうかというのがどうしても気になってしまう一冊。
2018/08/27
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