解剖の時間: 瞬間と永遠の描画史
解剖の時間: 瞬間と永遠の描画史 / 感想・レビュー
午後
骨格図や絵画の中の人骨の描写を通じて、人が骨をどのように見てきたかを分析する、面白い試み。ヴァニタス画や九相図に見られるような、寓意としての死と、解剖学的な分析の対象となるモノとしての骨の描写の違い。言及されている作例が、西欧だけでなく日本、中国、インド、メキシコと幅が広く、知らないものも多くあって面白かった。ほとんど作品紹介のような内容だが、冒頭で提示される骨格図の描写の変遷と、人間の視覚制度の関連についてもっと掘り下げたらとんでもない本になりそう。
2022/03/17
Meroe
古今東西の解剖図から「ヒトは骨をどう見てきたか」をつまみ食い。モノとしての骨と、死の象徴としての骨。os, bone(個々の部品)としての骨と、skeleton(骨格)としての骨。解剖図の歴史が詳しくわかるわけではないが、図版がたくさん、しかも使い方がうまくて楽しい。表現の仕方(陰影か輪郭線か)にはもっと踏み込んでほしかった。江戸時代に刑死体を煮て骨格標本が作られ、さらにそれを模した木製の骨(木骨)が作られていたとは。あと表紙のレンブラントの絵にはなぜか本文中で言及はない……。
2012/04/27
茨木
最初が「死体を探せ!」のデジャブすぎて凹んだ。図が多くてわかりやすかったしメモを取った単語も結構あって最終的には読んでよかったと思えた。装丁も格好いい。
2009/08/05
ファーストフラッシュ
第1章輪郭線とハエ 第2章ダビンチの焦点・何を見ないか 第3章 還元主義の結合による全身骨格 第4章 仏教思想からくる無常 後記 限りなく透明に近いブルー
2018/02/12
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