奏げん書: 中国古代の裁判記録
奏げん書: 中国古代の裁判記録 / 感想・レビュー
いぬかいつまき
近年中国各地から出土文献の発見が相次いでいるが、張家山漢墓から発掘された竹簡の中に「奏讞書」と題された一連の簡がある。これは秦漢時代の裁判(獄)において、地方では論断を下しがたい案件を中央に上申(讞)した裁判記録の覚書である。本書はその「奏讞書」の訳出・検討を中心としたものである。 今を遡ること2000年の昔に県ー郡ー廷尉ー皇帝という上申システムが存在し、実際に機能していたことにまず驚かされる。秦~漢初の中央集権の徹底が窺える。また事件の関係者の記述から当時の人びとの人間らしさが感じられ興味深かった。
2012/01/22
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