パリ遊歩者のまなざし (Writer&Cityシリーズ)
パリ遊歩者のまなざし (Writer&Cityシリーズ) / 感想・レビュー
nobi
Writer & City2冊目。1冊目「プラハ(J.バンヴィル)」が暗い色調の油絵とすれば「パリ」は色んな時代人種界隈のショットで作ったコラージュ。その手法を通してこそパリの全体像が浮かび上がってくる。アラブ系アフリカ系ユダヤ系南米・北米系…ゲイ…の人々を惹きつけ取り込みパリ仕立てにしてしまう。J.ベイカーはレジスタンスの一員として活動し、ユダヤ一族のカモンド家は有数の美術コレクタとなる…。冷ややかさ、寛容と見紛う個人主義、生きる上で欠かせないお洒落。パリは流血の記憶を留めつつ不思議な混淆の香気を放つ。
2018/01/13
みかんの下
てっきり軽い備忘録のようなものかと思い手に取った。碌に表紙を検めずに読み進めると思いの外含蓄のある文章で、慌てて著者を確認し納得。(訳書であるためこれが本来の癖であるかは判ぜないが)独特の文体で綴られる内容は大雑把に上げても哲学、政治、そして勿論LGBTや文学についてなどと幅広い。著者の「遊歩者」の捉え方が興味深かった。
2014/04/26
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