人生を半分降りる: 哲学的生き方のすすめ
人生を半分降りる: 哲学的生き方のすすめ / 感想・レビュー
Tonex
昔読んで線を引いた部分を拾い読み。▼著者のいう「人生を半分降りる」とは、大学の雑用をなるべくしない、読者におもねる本を書かない、誰も読まないような論文を書かない、など。▼哲学とはもともと反社会的なものなので、同時に「善良な市民」や「健全な社会人」になることを期待してはいけない。(196頁)▼人生はゴマカシの連続である。ゴカマシに徹して生きる。(219頁)正しい答えなどどこにもない。▼「そして、あなたはまもなく死んでしまう」
2016/06/26
まーちゃん
ソクラテスは言った。「良いことにせよ悪いことにせよ、自分の家の中で起こること」これこそが、これだけが大切なのだ。/中島さんはこの言を受け、一見気難しく取っ付き難そうな「繊細な精神」「批判精神」「懐疑精神」を卑近な例を挙げながら面白おかしく説明してくれる。職場の親睦会等での暴力的な『和』の雰囲気、暗い人はそれだけで「人間失格」の扱い、深夜の急行で座席を確保するための重要な一瞬は、静かな学会にもある、時の経過と共に変わる勝者と敗者の力学、人生における大きな不幸を紛らすため考案された「戦うこと」等々。
2014/12/08
テツ
個人が生きる上で社会から要求されていると思い込んでいる事柄のほぼ全てが無視しても特に困ることがないのだと、ぼくも最近になってようやく気づいた。最低限の社会性は身につけてきたけれど(そうでないと働いてメシも食えず生きていけないので)どうしたって幼い頃から感じていた自分と自分以外との間の絶望的な断絶がなくなることはなかったし、そこを見ずに触れずに生きることもできなかった。別に無理に乗り越えることはない。適当にやり過ごすためのペルソナを被りながら、自分の本当に興味があることだけに没頭したらいいのだ。
2022/11/03
Ted
'97年5月刊。人生を半分だけ降りるとは、交際をできる限り避け、役などには就かず、周囲から変人扱いされようがそれを恐れず、淡々と孤独に身を置きなさいということ。慣れてしまえばこれはかなり贅沢な環境だと思う。特に自分がやらなくてもよいような下らないことに時間を奪われているうちに、人生はあっという間に終わってしまう。実にバカバカしいことだ。忙殺されている時はいかにも充実しているような気がするが、後で冷静に振り返ってみると実は何も考えていなかったことに気付く。ならば一刻も早く半隠遁生活を目指すべし。人生は短い。
2012/01/22
ころまる
である体とですます体が混ざっていて少々読みづらかったです。自分には内容が少し難しかったですが、共感できるところは多かったです。本当に世の中面倒なことが多いと思います。
2017/09/24
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