ジェーンとキツネとわたし
ジェーンとキツネとわたし / 感想・レビュー
ルピナスさん
エレーヌの気持ちを考えると、学校という閉鎖的な空間が本当に嫌になる。「エレーヌは体重100キロ」という落書き。ひそひそ笑い。何も聞きたくないのにエレーヌの豊かな想像力をもっても耳に入るの阻止できない悪口。実際には体重はたった40キロなのに。靴の紐を結ぶふり、本に没頭するふり、何をしても悪口は気にしている限り、エレーヌの心を捉えて闇に引き摺り込む。エレーヌを彩りのある世界に導いてくれたのは物語「ジェーン・エア」やキツネではなく新しい友人との出会いだった。今の状況が永遠に続く訳ではないと目覚めさせてくれる一冊
2023/06/20
☆よいこ
絵本サイズだけれども分類953。エレーヌはいつもひとりぼっちで友達がいない。周りの人から悪口を言われ傷ついている。気にしていると笑われたくないので、エレーヌはいつも本の世界に逃げ込む。『ジェーン・エア』の主人公ジェーンに気持ちを重ねていく。エレーヌは自分をソーセージみたいに不格好だと思い暗い気持ちになる。合宿キャンプで出合ったキツネも逃げて行ってしまった。だけど、ひとりの少女と仲良くなり友達ができた▽1冊の本が心の支えになったのが幸い。『ジェーン・エア』は未読
2023/10/26
野のこ
《図書館の飾り棚にて♪》絵本だけどコミックのような構成が新鮮で借りました。デッサン画の木々の景色は美しかった。でもいじめる女の子の表情は怖いしズーンと心が重くなった。居場所がなくてエレーヌはずっと下向いて「ジェーンエア」の世界に逃げてた。でもラストは言葉の葉っぱが色づいて良かったです。「そんなことってありえないんじゃない?」なんて分からない。昔読んだけど『ジェーン・エア』の結末が気になりました。あとお母さんの表情が印象に残りました。
2018/06/12
ネギっ子gen
【読めばわかるけどね、結末はステキだよ】 お話は、<きょうはどこにも居場所がない>から始まる――。仲間外れにされている5年生のエレーヌは、悪口を落書きされ、からかわれても、『ジェーン・エア』を読んでやり過ごす。ある時、青い目の女の子が現れたことで――。少女の揺れ動く心の描写が瑞々しい、魅力的な大型絵本。袖に、<カナダ総督文学賞受賞作。気鋭のイラストレーターが描く、繊細なグラフィックノベル>とあるが、正にその通り。絵力あり! 【このお話の教訓:世の中には、素晴らしい絵本があるってことを、けっして忘れるな】⇒
2021/09/05
annzuhime
図書館本。友だちからの心ない言葉と行動。学生は学校という狭い世界で生きなくてはならない。クラスメイトはいるけど友だちがいないエレーヌ。本の中のジェーン。暗い印象で進む中、出会ったキツネの鮮やかさ。自分だって他の人をあえて避けているのではないか。行動するのは難しいこと。でも変えるための努力ときっかけは必要だよね。子どもにはまだ難しいかな。高学年になったら読んでみてほしい。CASA BRUTUSの大人も深読みしたいこどもの本100。
2023/10/12
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