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ポスト・モダンの条件: 知・社会・言語ゲーム (叢書言語の政治 1)

ポスト・モダンの条件: 知・社会・言語ゲーム (叢書言語の政治 1)

ポスト・モダンの条件: 知・社会・言語ゲーム (叢書言語の政治 1)

作家
ジャン・フランソワ・リオタール
小林康夫
出版社
水声社
発売日
1989-06-01
ISBN
9784891761592
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ポスト・モダンの条件: 知・社会・言語ゲーム (叢書言語の政治 1) / 感想・レビュー

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ころこ

ポスト・モダンは、ヘーゲル的な「大きな物語」が失効した状況をいいます。日本においてポスト・モダンは、昭和天皇の死と、冷戦構造の崩壊と、バブル崩壊による挫折として記憶されています。アメリカとの関係が現前化してくるのは80年代のことで、ポスト・モダンは徐々に意識化されていきました。多分、村上春樹の出現と関係があります。本論は科学技術とそれに伴う情報社会化によってポスト・モダンが到来するという、進化論に影響を受けたようなモダニズムな議論です。既にポスト・モダンが終わった状況で、原義に立ち返る意味はあるでしょう。

2019/06/25

またの名

ポモポエム文体とは無縁。あらゆる言表を言語ゲームとして見ると、各分野ごとにプレイヤーが繰り出す指し手についての規則や了解が存在(ex.自然科学なら研究対象の背後に術策を弄する意図を想定しない)。精神の弁証法的発展や主体の自由化といったメタ物語が機能しなくなった今では、科学の言語ゲームは役に立つ・売れる・機能するか否かを基準に、エビデンスと遂行性つまりコスパで判定される諸言説の一つに化すと診断。誰でも検索できるデータベースの組み合わせから新しい手を打つことが想像力と呼ばれる時代の姿は、未だ本書をはみ出ない。

2018/04/20

Ecriture

ポスト・インダストリー社会における経済的効率の最適化に向けた知の商品化を取り上げ、知の条件と状況が変化していることを指摘する。精神の弁証法、意味の解釈学、主体の解放、富の発展、啓蒙、正義、真理、形而上学としての哲学、大学制度、諸所の物語機能(偉大なる主人公、重大な危難、華々しい巡歴、崇高な目標)…。ポスト・モダンとはこうした大きな物語に対する不信感だが、メタ言説を持たぬ言語ゲームの中でローカルなパラロジーとしての小さな物語を提出し、差異や共役不可能性に耐える力を強めることを可能にするものでもある。

2013/11/08

しゅん

「大きな物語」の失効以上に、科学の寄る辺が物語でしかないという矛盾が今にまで生きてる指摘だと思える。無駄を省いた記述はヴィトゲンシュタインの影響を感じさせる。

2020/07/10

D.Okada

「《ポスト・モダン》はなによりも、《モダン》という時代の文化を根本的に規定していた様々な価値への不信感として現われる。それが本書の著者であるジャン=フランソワ・リオタールの言う《大きな物語の失墜》である。《自由》という物語、《革命》という物語、《人間の解放》という物語、そして《精神の生》という物語....これらの物語は、人間にとっての普遍的な価値の物語として、モダン時代の理論と実践とを《正当化》する役割を果たしてきたのである」(222頁。訳者あとがき)。難しかった。訳者あとがきで、「ああ、なるほど」と思っ

2011/08/17

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