現代音楽のポリティックス
現代音楽のポリティックス / 感想・レビュー
横丁の隠居
90年代の初めに出た本だが、ノーノやグロボカールの言葉が読めるというのは貴重だ。そもそも現代音楽というものがわけのわからないものなので、それに対する言説もたいていわけがわからないのだが、この本は3割くらいはわかるところがある。特にエロワの話は具体的だし、近藤譲の作曲法の話もよくわかる。彼は聴衆の期待を裏切りながら、完全にランダムではなくあいまいな形式感を残しながら作曲するという。私は、裏切りももちろんありだが、明確な意図を持って曲を一貫したものにしたいと考えている。貴重かつ興味深い一冊。
2015/11/22
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