ターミナル・エヴァ: 新世紀アニメの世紀末
ターミナル・エヴァ: 新世紀アニメの世紀末 / 感想・レビュー
ひろ
エヴァ旧劇場版が公開される直前に出された評論集。謎本の類と一線を画すと言いつつ根拠に乏しい「旧劇場版の結末予想」をしているあたり所詮オタクの本なのだが、引用されるクラシックから読み解く西村は興味深く、またテレビ版のラストは分裂病的な庵野監督の自己治癒であるとみなす斉藤、無責任な主体なき記号の集積でありその実空虚な作品(ゆえに時代が受け入れた)と喝破する大月の両論は、エヴァという作品の見方として今なお有効というか支配的ですらある。間もなく完結するシンエヴァをどう捉えるか。本書はその有効な視座をもたらす。
2020/08/29
pochi
1997年 8月16日
澤水月
9709
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