人工の冬
人工の冬 / 感想・レビュー
nina
1939年にパリで出版されたニンの最初の小説集。『ジューナ』『リリス』はそれぞれヘンリー・ミラーとその妻ジューンとのトリニティな恋愛関係、幼い頃別れた実父とのインセストな恋愛関係をノベライズした私小説作品で、最後の『声』のみ夢と現実の間を描いたようなやや観念的な作品だが、どれもニンが幼い頃から書き綴った日記とは相補関係にある。女は男に己を捧げ、男は際限なく女を吸い付くし、やがて女は己を失う。地中からひき抜かれる際のマンドレイクの悲痛な叫び。麻薬のような強烈な魅力を放つ己の分身と身を分かつ時、女は再生する。
2013/12/07
ふるい
小説というよりは詩のような文章で書かれた三編。愛に溺れようとする自分を冷めた目で分析する女たち。神に代わる存在だと信じた男は卑小な人間でしかなく、女は孤独に取り残される。
2016/11/23
アイリス
三編収録の内、最初のジューナで挫折。感覚だけで話が進んでいくような感じ。ふわふわ宙に浮いたまま進んでく。たかだか120ページを読むのにずいぶん時間がかかった割にはぜんぜん読んだ感じがしない。今見るとこれを発禁にした意味すら分からないが、当時の人たちにはそれほどの危ないものがこの本に発見しえたのだろうか。
2010/03/21
圓子
これは小説か?否、日記であろう。あまり人に読ませるために書いてるとは思えないなー。日記だと、自分だけにわかる感覚とか逸脱とか暗号とかそのまま書ける。そういう雰囲気でしたので。あとがきにもあったけど、発禁になっていた理由は、性的な描写云々ではなくて、思想的にやばいからだと思う。
2010/01/19
凛々
あまり深く考えずに読み進めないと、一向に読み終わらないので、さっと流してしましました。
2009/12/19
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