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あゝ、荒野

あゝ、荒野

あゝ、荒野

作家
寺山修司
森山大道
出版社
パルコ
発売日
2005-12-01
ISBN
9784891947255
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あゝ、荒野 / 感想・レビュー

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A.T

ああ、これは戯曲「書を捨てよ町へ出よう」の小説版なのだ。荒野に独りいる吃りの〈バリカン〉と不良少年の新宿新次のボクサーの闘いなのだが、チカラの差は歴然としている。〈バリカン〉は意識する。二番目としてしか生きられない男からみた一番の男への距離感を。それを埋めるには闘いしか残されていないことを。

2016/12/18

Hiroki Abe

60年代、東京、それは正しくディスコミニュケーション。モダンジャズのように即興的に各場面が展開されていく物語、そこに突然、森山大道の60年代、東京を切り取った写真が立ち現れる。そこには果てまで広がる、まるで荒野のような風景が★

2017/06/07

保山ひャン

寺山修司唯一の長編小説。人を憎めない吃りのボクサーバリカン健二と、歌や女にも強いボクサー新宿新次を中心に、自殺機械研究会、同性愛秘密結社ユリシーズ、ズベ公と老娼、逃げ馬、家族あわせ、死人の写真を集める女など、寺山らしい道具立てに満ちていた。学生時代に読んだときは、寺山にしてはもたついた展開であまりいい評価はしてなくて、今読んでもそれは確かにそのとおりだけど、じゅうぶんに面白かった。ラスト4ページのボクシングの結末など、前代未聞なんじゃないか。森山大道の写真がまた当時の60年代を体感させてくれて、すごい!

2016/08/18

那由多

初 寺山修司です。<バリカン>の感情が掴めそうでつかみきれない作品でした。新宿新次の「解説なんか聞きたかねえよ。俺には俺の読み方があるんだ。」の台詞が果たして漢字の読み方に対してだけのものなのか?新次の生き方、スタンスを表していると思うのは、深読みのしすぎなのか?

2015/11/15

まじゅ

寺山さんの文章もさることながら、森山さんの写真がイイ。高度成長期に突入したこの国の、雑多でパワフルでどこか怠惰な感じがストレートに伝わる。

2011/10/15

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