グレートピープル。ストレンジ。
グレートピープル。ストレンジ。 / 感想・レビュー
田氏
いしいしんじ作品には変な人が多く出る。どうしてこんな人を描けるのだろうと常々思ってたら、なんのことはない、作者自身が変な人であった。ウサギの着ぐるみで地下鉄に乗ろうとしているところに旧来の知人から声をかけられ、そのまま飲みに出るような人物がマトモであってはいけない。そんな氏が世の偉人変人奇人怪人のエピソードを、それに負けずとも劣らぬ自身の思い出話、妄想話をからめて語る。のだが、とにかく「はなし」がうまい。つくづく、おもろい話はおもろく生きてる人が書くのだなあと。ひらがなと小粋な熟語のバランスも絶妙である。
2016/09/20
ビシャカナ
日常のくだらないエッセイを枕にして歴史上の人物を語ったり、妄想で語って小話にしたり、脱力系の読み物かと得思えば、時としてドキリとするぐらい鋭い感性で歴史上の人物を語る。自分も知っている人物を、自分と全く感性の違う人が語るとこうなるのか、なるほどなと思う。一方で自分が全く知らない人物も大勢知ることができて得るものも多かった。ただ著者は、やや懐古主義的で、今の社会や若者をバカにしてるフシがあるのが残念だ。
2014/06/02
だまこ
各方面の偉人たちの話をいしいしんじさんがコミカルにユーモラスに軽く綴ったエッセイのような不思議な一冊。さっくり読みやすいし、いしいさんの主観は大きく(面白く)入るものの概ね何を成した人かは理解出来るしいしいさんの変人っぷりも堪能できる面白い本です。個人的にはベル・クック船長・ダヴィンチ・ダリが好き
2011/11/18
銀木犀
偉人。もう死んだ人。そして変人ということで、古今東西の人が紹介されている。ところどころ挟まれる著者本人の変人エピソードが強烈。小説とは作風が違うような。(この間ご本人を見たら、どっちも本人だとなんとなく納得したけど)新渡戸稲造が何をしたか結局わからないというのはとても納得。犬のティオゲネスやピアフのシャンソン、おなら芸人ジョセフ・ピョジュールとか、知らなかった人のエピソードもすごくて、雑学的にも面白い本だった。山下清の絵を見ての感想が、「こんな見方もあるのか」と目から鱗だった。
2010/09/02
morimama
有名人たちのストレンジぶりを、いしいしんじさんがシュールに描きます。ただ、一番の奇人は当のいしいさんではないかという思いがふつふつと湧いてきて・・・そのいしいさんにストレンジと言われた人々はよっぽどの変わり者なのか、はたまたストレンジのストレンジは実は至極まともな人々なのか・・・疑問が微妙な境界線を行きつ戻りつしてしまいます。
2010/03/15
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