文化の利用 (絶対の宣伝 ナチス・プロパガンダ4)
文化の利用 (絶対の宣伝 ナチス・プロパガンダ4) / 感想・レビュー
HANA
シリーズ最終巻。一巻二巻がゲッベルス、ヒトラーといった大きな括り。三巻が扇動の方法なのに対して、本書で扱われているのはナチスが美術や映画、ラジオにオリンピックといった文化をいかにしてプロパガンダに生かしたかという事が述べられている。オリンピックやラジオに関してはその宣伝の手法は研究しつくされている観があるけど、漫画や雑誌、詩に小説といったものに関しては初耳となるものが多い。特に雑誌に関しては当時発刊されたものを手掛かりに、デザインから英雄まで細部まで論じつくされている。読み終えて圧倒されるばかりである。
2018/08/16
ののまる
草森さんの文章が、読みにくくてすごく大変だったなー
2020/01/01
てら
ついに全4巻読破しましたが、また最初から読みたいくらいです。伝説の「ナチス本」、噂に違わぬ密度と熱量と見識でした。研究者ではなく、ディレッタントでも極めればここまで見えるし書けるという一つの到達点だと思います。(ただ、21世紀の日本でここまで書けるディレッタントがいるかと言うと…?)
2018/06/05
ナン
記念切手、ポスター、広告、マンガ、美術、建築、映画、放送、スポーツ、オリンピック、雑誌、詩、小説、書簡のそれぞれについて、ナチス政権下では実物はどんなものなのか、どのように利用されていたかが具体的に書かれており、ここまで分析した本は他にはないのではないかと思う。特に雑誌の章が面白く、PK(プロパカンダ・カンパニー)部隊の存在をはじめ、ナチスがいかに戦場でのグラフィックを重視していたかがわかる。また、ポスターや建築、雑誌の写真等も多く掲載されており、そこも見所の一つ。
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